梅雨の養生茶
黄帝内経≪素問 大常政大論≫を読んだことがある人なら、きっと気候には敏感だと思います。己亥年の2019年は土運不及。卑监之纪,是谓减化。化气不令,生政独彰,长气整,雨乃愆,收气平,风寒并兴,草木荣美,秀而不实,成而粃也。…自然界では、今年は夏が来るのが遅い。梅雨が遅い。実りが少ない…などの特徴があり、人間に例えてみてもなんとなく想像がつくと思います。土不及。土は脾胃なので、脾胃の機能が及ばない。つまり、消化吸収能力が低下してしまうので、もともと脾胃が弱い方はとても気を付けなければならないということ。化気不令。「化」とは、まさに消化の化。もともと異なる物が融合して新しいものに生まれ変わること。その化気が不足しているということは、つまり、人が飲食をしても、それが上手に栄養分(自分の成分)に化わらない。自然界で言うと、植物は秀而不実。実りが少ない。成而粃也。これは、十分に実らず籾や殻ばかりのもの。収穫が少ないということ。その原因として、雨乃愆,風寒并興。雨が遅れる。風と寒が同時に興る。これは、困りますね。7月に入っても、気温は上がらず、雨はしとしと。冷房と飲食には十分気を付けなければなりません。今までは平気だったかもしれませんが、今年は冷たいものや肉魚は少し控えるか、身体を冷やさないように工夫が必要です。今頃の時期、白茶がとても人気がありましたが、今年はまだまだ発酵茶が活躍しそうです。土運不足の年は、とにかく発酵茶で、身体を温めながら、湿を排出しましょう。大紅柑2種2017年の大紅柑(右上)2018年の大紅柑茶頭(お茶が年代物)(下)茶葉の違いがわかりますか?陳皮が脾胃を温めて、消化を助けてくれます。適度に身体を動かして汗をかくことも重要です。そうしなければ、体内に余分な熱が籠り、喉の炎症に悩まされるかもれません。喉がイガイガするからと言って、冷たいものを飲むと、脾胃が痛んで、またまた悪循環…。暑い日でも、少し冷めた発酵茶がお勧めです。ちなみに、こちらは藏茶の大紅柑。私は藏茶に普通に陳皮を混ぜて飲みますが、こちらは商品として売られているものです。藏茶と陳皮の相性は抜群。ただ、この大紅柑。写真を見ていただいてもわかる通り。陳皮が新会陳皮ではなく、粗雑な陳皮です。そして、まずい…。藏茶を購入された方にお薦めなのは、陳皮を自分で混ぜて飲んでください。こういう流行に便乗した新商品はあまりお勧めではありません。