北京での外食
伝統的な儀式が無事に終わり、お昼は新弟子からご馳走になりました。CBDと言われる国貿中心、華貿中心からさらに東に向かって一駅「四恵」から「高碑店」付近には、中華伝統文化に関する企業が多く、なかなか興味深いエリアです。そして、今回は、師父を囲っての会食なので、ゴージャスな個室のある新疆レストランの「京和石榴花」を選んでくれました。スタッフはすべて新疆ウイグル族で、本当に美しい方ばかりです。新疆料理には、豚肉はありませんが、牛肉、羊肉が多く、鶏肉もでます。出てくる料理全てが色鮮やかで、食欲をそそります。が、私は体質的に肉が食べられないので、見て楽しむだけです。最初にサービスで提供される新疆産の棗、アーモンド、ピスタチオ、そして細長いバナナのような形の「藍宝石葡萄sweet sapphire grapes)」別名「月光之涙」という今大人気の干し葡萄。こういうのは、とても嬉しい。正直、近年の干し葡萄は種なし(無籽)が多く、なんとなく気味が悪いので、好んで買うことはないのですが、たまに食べると美味しいと感じます。終盤に出てきたこのパイのような新疆のナン。熱々、香ばしい匂いで、サクサク食感。ほのかに塩味が効いていて美味しいのです。でも、これは、中に羊肉が挟んであるミートパイ風でした…。(残念)最近よく見かける黒糯米や黍を挟んであげた料理かと思ってお皿にとったら、牛肉詰めでした。またまた空振り…。私は牛肉と羊肉は食べませんが、肉の入っていない料理もたくさんあり、とても美味しいので、まったく気にせずにみんなと食事ができます。ここに集まった弟子達は、それぞれ伝承者としての使命感が強い者ばかりで、事業に成功した女性たちや企業で働く女性が多いのですが、稽古にも熱心で、本当に感心いたします。昼からこれだけのご馳走となれば、もう夜は食べません。この後、中国茶を1時間ほど飲んでから、師父と師姐と三人で、バスで一時間かけて北京郊外に移動し、まだ明るいので、外で八卦掌の稽古を1時間弱行いました。私は普段それほど激しい稽古は行っていないので、こういう時に身体に鞭打って動かすのは必要なことかもしれません。これで、昼に食べた物も消化してくれるだろうと思っていたら、今度は、師姐が私と師父にご馳走したいと言い出し、私も師父も断っても断っても、強引に連れ出されることになりました。さっき食べ終わったばかりじゃないの…。まだ17時だよ。異なる味付けの野菜炒め。レタス炒めと芥蘭菜炒め緑を見ると食欲が出る。あまりに断り続けるのも失礼にあたるので、近くの広東料理レストランに入ることになりました。正直、一日に二回の外食は重いなあ…。私は肉は要らないときっぱり宣言し、野菜料理を2品注文しましたが、ご馳走する側の中国人からすると、野菜だけだと失礼にあたるという気持ちが強いのか、師父のためにと肉料理とエビ蒸し餃子も注文していました。そして、翌日、稽古上がりのお昼も、今度は師妹が「師姐(私のこと)と師父が一緒に北京にいるのはなかなかないことだから、ご馳走しちゃう!!」ということで、地元ではかなりの人気のテーブル席が6席くらいしかない四川湖南料理レストランとなりました。中国人との会食は、ほとんど中国料理ですが、中国は広いので、二日間で、新疆料理、広東料理、四川湖南料理…と、旅行者が大変喜びそうな食事です。香辛料も異なれば、調味も全く違うので、飽きることはありません。しかし、私の感覚からすると、中国料理はほぼ「油」と「化学調味料」の味なので、やはり家で食べるのがホッとするのです…。新疆レストランの干し葡萄を思い出したら、なんとなく食べたくなったので、冷蔵庫からとっておきの「小棗」と「緑香妃」(マスカットレーズン)をつまんでいます。