端午節安康 ヨモギを飾る
ついに、庚午月(五毒月)となりました。2023年癸卯の端午節(五月初五)は、6月22日でした。6月21日が夏至で、端午節は夏至の後。しかし、2024年甲辰の端午節は、6月10日で、夏至は6月22日なので、夏至前に端午節があります。 民間の諺に「夏至端午前、必定是災年」とあります。特に農作物でいえば、この年は気候が悪く、冷夏、干ばつや洪水などが起こると言われています。中国では、端午節は三連休です。多くは、粽を作って食べる行事が一般的ですが、私は食べるよりもヨモギ狩りです。日本だと山に取りに行くところですが、今住んでいるところは山までが遠く、雑草のヨモギも生えていないので、市場まで買いに行かなければなりません。大きな市場まで来ると、端午節の飾り用にヨモギや粽用の笹が売られています。私がヨモギを見ていると、おばちゃんがやってきて値段だけ聞くと、そのまま去っていきました。一束2元(40円)也。安いわ~。飾り用としては、陽の数(5,7,9)あればよいので、一束で充分だったのですが、足湯にしたり、すべての部屋に飾りたいという欲ばり精神がでてしまい、5束買いました。中国では珍しい10元札を出して、釣りがいらないから、面倒なやりとりもなく、順調順調。満足満足。ヨモギは、蚊や虫を寄せ付けないといわれているため、玄関や窓の傍に置いて、虫や邪気の侵入を防ぐ作用があります。香りがよいので、持ち歩いている間も気持ちがよかったです。そもそも端午は、「天地に感謝し、先祖と太陽神を祀る日」なのであります。先の諺にもあるように、農耕民族にとってとても重要な日なのです。一万年以上前の炭化した糯米や7000円前の太陽神である鳥の彫り物も出土しております。しかし、現在の賽竜舟や粽文化の発端は、2000年前の戦国時代までさかのぼります。こじ付けっぽいのですけどね。楚国出身の偉大な詩人、政治家、また天文学者でもある「屈原」は、国王からの信頼を失い、国を追われたあげく、絶望して泪羅江に身投げをした悲しい日であるため、「端午節快楽」(おめでとう)という挨拶は禁忌であります。このため、「端午安康」といいます。日本に伝わっているのも5月5日の端午節ですが、日にちも意味もすっかり変わってしまっています。別にかまわないけどさ…。この日に食べる粽よりも、私にとっては今年の農作物や天候のほうが重要ですから…。綺麗に洗って、各部屋に飾ります。端午節の前3日から準備して、後4日くらいまではそのまま置いておきます。自然に乾燥したら、捨てずに漢方として保管しておきます。ヨモギは、宝物。家の中がヨモギの香で、気持ちがいいのです。