司法書士による過払い請求、債務整理の実況中継

｢0百０十０万円を、１月まででお願いします｣

高齢のTさんが、かぼそい声で話しだした。電話の相手は本人訴訟係争中のプロミス。

先週、担当者から本人と和解の話をしたいと提案があった。しかし相手は連戦練磨の貸

金業者。おとなしく人が良いＴさんが敵うはずがない。

　急遽、事務所に来て頂くことにした。

｢苦しい中支払ったお金ですよ。まけてあげることはないんですよ！｣

｢なにを言われても聞かないように・・｣

打合せ通りに話し出したのだが、「はい、はい、」としばらく続くＴさんの声。「やばい！！」

相手は盛んに窮状を訴えて取り崩しにかかっている。

そして「５月ですか？」一瞬、驚きの声、どうやら支払いを５月にしてくれと言っているよう

だ。電話を保留したＴさんに「当事務所はほとんど１月ですよ」「待てないなら待てないと、

はっきり言ったほうが良いですよ」とアドバイスする。

　プロミスには各代理人事務所の情報がインプットされているようだが、本人訴訟の場合

は連動されていないようだ。それとも相手を見ているのか？

　何とか持ちこたえたＴさんようやく満足した結果が出たのか、緊張した顔も緩み笑みがこ

ぼれた。

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