ラスト、コーション
久しぶりにDVDの感想などを。とは言っても1月に見たDVDなので思い出しながら・・・☆ラスト、コーション☆(2007)アン・リー監督トニー・レオンタン・ウェイストーリー1942年、日本占領下の上海。抗日運動に身を投じる美しき女スパイ、ワン(タン・ウェイ)は、敵対する特務機関のリーダー、イー(トニー・レオン)に近づき暗殺の機会をうかがっていた。やがてその魅力でイーを誘惑することに成功したワンは、彼と危険な逢瀬を重ねることに。死と隣り合わせの日常から逃れるように、暴力的なまでに激しく互いを求め合う二人。そして、二人のスリリングで危険に満ちた禁断の愛は、時代の大きなうねりの中で運命的なラストへとなだれこんでいく・・・。濃厚な性愛描写が話題になったこの映画^^;)確かに一人で見る映画だわ(笑)しかし、この複雑な心の移り変わりを演じたタン・ウェイはすごいね。最初はちょっとおさなっぽい顔すぎるんじゃないかと思ったんだけど、徐々にしっとりした女性らしさも出てきてね~~。夏休みの間の学生たちの遊びのようなイー(トニー・レオン)殺害計画に乗ったチアチー(タン・ウェイ)この学生のリーダーに心惹かれたからだ。彼のため自分を犠牲にしてもいいとさえ思ったのに、この企てはイーが上海に行ってしまったことで、本当に単なる遊びのように終わってしまった。ただ、彼らは殺害計画を知られたことで殺人を犯すことになったのだが・・しかし、そこで一番傷ついたのがチアチーだった。彼女はイギリスにいる父が再婚することを知り、自分が見捨てられたことを感じる。それも一つの原因だったのかもしれない。そしてその後、再びイーを殺害する計画に参加することになるのだ。彼女を再び引き入れたのは、彼女が心惹かれたクアンからの誘いがきっかけだった。クアンも、意気込みだけは相変わらずなんだけどあんまり役に立たないんだよね・・・クアンなどこの組織の中では捨て駒みたいなもんだもん。チアチーとイーの危険な逢瀬。暴力的とも言える。お互いが征服しようとしているようだ。チアチーの心に「愛」が芽生えたのはこのイーの孤独な心ゆえだろうか。誰も信じられないという、孤独な姿を自分にも照らし合わせたのだろうか。また、父親の姿もイーに求めたのだろうか?嬉々として指輪を作らせるイーって、完全に若い愛人にメロメロなヒヒ爺みたいなもんだ(笑)でも、そんなイーに対するチアチーの言葉が切なかったなあ。そして、その言葉を聞き脱兎の如く逃げ出すイーも、またおかしくも悲しいのだ。トニー・レオンって強い男を演じるのもうまいけど、こういう男の弱さも演じるのもうまいんだよねえ。採石場でのラスト、チアチーは毅然と顔をあげ最後を見つめている。傍らのクアンに「あんたのせいでこうなったのだ」と一言言ってやればよかったのにね(笑)そうそう、イー夫人がチョイセレブなお仲間たちとマージャンをするシーンが多いのよね。この婦人たちの会話が、戦時下とは思えない。やっぱり、金持ちには戦争なんて自分には関係ない世界って思うんだろうかねえ。ただ、彼女たちに力があるわけではなく旦那がたまたま勝ち馬に乗っているというだけなんだけどね。どこの国でも、いつの時代でもこんなもんなのかなと思うのだ。