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こちらの先週末の新聞には、久しぶりに日本に関する記事が載っていた。
・「戦争法案」が、多くの市民の反対にもかかわらず、採決されたこと。 ・大都市のビジネス街では、黒や紺のスーツ姿ばかりが目立つが、猛暑の中、省エネのために「クールビズ」が唱えられ、「沖縄シャツ」(?アロハシャツのこと?)姿もチラホラ見られるが、メジャーになるほどには広まってはいない。 ・オリンピック競技場の建設費が予定を膨大に上回りそうなので、見直しが検討されている。 また、昨晩のテレビのニュースは、福島原発近くの避難指定地域の指定解除を報道していた。 国は「原発問題は解決した」としたいのだろうな。解除すれば、避難のための慰謝料も払わないですむし。 場所によっては、通常の20倍の放射能が検出されているのに。 日本には息子家族や弟家族が住んでいるし、わたしもたまには日本で仕事もしているけれど、自分が住んでいて政治の恩恵・弊害を被っているわけではないし、公的には「わたしの国」でもないので、外からとやかく言いたくはないけれど、やっぱり哀しくなる。 ヨーロッパは、中東、ロシア・ウクライナ、北アフリカなどの戦争・内紛・テロ戦争に取り囲まれている。 今はまだ、平和そうに見えるヨーロッパだけれど、いつ何が起きるかわからない。 戦争って、エネルギーの無駄、金の無駄、命の無駄、無駄だらけだ、あー、もったいない。 これに遣う金で、飢えている人、熱帯林、汚染する水などなどなどなどを守ったら、どんなに意味があるだろう。 なんてことを言うと、「おまえは幼稚(ナイーヴ)だ、現実はそんなもんじゃない」と言われるんだろうな。 アメリカは中国やロシアを鑑みて、日本やヨーロッパの国々にもっと軍事費を出させて、軍備を強化する。 敵国だなんて言ってる場合じゃないのに。こういう国とも、なんとかうまくやっていくのが、政治的な手腕じゃないのかなあ。 こんなことしている間に、ISがどんどん勢力伸ばしそう。 ISに参加する若者が続出しているのも、根本にはそれぞれの国の政治の悪さが原因。 失業し、将来に見通しがなく、住むところさえもない若者たちが(たとえば、チュニジア)、ISの誘惑にひかれて参加するのだそうだ。 「今よりはマシ」というわけで。 世界中で、金の使い方がまちがっているみたい。 人間は自分の命の時間軸で物事を考え、すぐに利益を得る道を選んでしまう、情けない存在だと思う。 孫子の世代がどうなるか、なんてことは、理論では考えても、実行には移せない。 目先の景気回復、雇用促進、経済成長のためには、長期的なダメージは思考の枠外に追いやられてしまう。 長期的には省エネが大切なのはわかっていても、目先の猛暑から逃れるためには、冷房をつけたくなるのと同じ。 わたしだって、「人生は一回きり、短い人生、マグロが海から消えない内に食べちゃえ」となるから、他人のことは言えない。 そもそも人間って、とんでもない欠陥がある動物なんだな。 自分の生活場所を自分でこわし、同じ種の仲間を必要も無いのに殺し合い、食べらきれる以上の動物や植物を殺しては捨て。 もし神がいるなら、言いたい。「なんでこういう動物をつくったの?」って。 今週も、最高気温36、37度になるって。ああ。 ドイツではこれまで冷房をもつ家なんて、ほとんどなかった。オフィスでも冷房なしが多い。 これまでは、こんなに暑い日は、一夏にせいぜい数日、高々一週間ぐらいだったし、空気が乾燥しているので(今日は「蒸している」方だけれど、それでも40%、ふつうは30%)クーラーは必要なかった。 それが、暑い日が何週間も続くようになって、クーラーを入れる家が増えてきたそうな。 悪循環を呼ぶだけなのに。 昼の12半の今は、まだ日が当たらない西側の窓から風が吹き込んで、気持ちがいい。 それでも、日が当たる側の窓は閉め切って、熱風が入らないようにしている。 午後の4時から6時が「魔の時間」。西側がすんごく暑くなるので、窓は閉めなければならない。東や南側もまだ熱が残っているから窓が開けられない。日がすっかり落ちる9時から10時になって、やっと冷気を入れることができる。 ここ数週間、窓を開けたり閉めたりの繰り返し。 でも、こんなことが悩みだなんて、平和とはなんとありがたいことか。 ある方がメールで、日本の新聞に出ていた「自由と平和のための京大有志の会」の声明文を送って下さいました。 的を得た、とてもいい文なので、お読みでない方のために、以下にコピーします。世界の平和がこれ以上、こわされないことを願って。 戦争は、防衛を名目に始まる。 戦争は、兵器産業に富をもたらす。 戦争は、すぐに制御が効かなくなる。 戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。 戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。 戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。 精神は、操作の対象物ではない。 生命は、誰かの持ち駒ではない。 海は、基地に押しつぶされてはならない。 空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。 血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、 知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。 学問は、戦争の武器ではない。 学問は、商売の道具ではない。 学問は、権力の下僕ではない。 生きる場所と考える自由を守り、創るために、 私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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