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司馬遼太郎著「人間の集団について」中公文庫、705円+税、という本のサブタイトルがーヴェトナムから考えるーです。 この本は司馬さんが(なんて気安くさん付けしていますがご容赦!)長年行ってみたかったヴェトナムを訪問した時に考えたことをまとめたものです。 ただし、その訪問時期が只事ではありません。訪問したのは1973年4月、長いアメリカとヴェトナムの戦争がこう着状態になり、アメリカが北ヴェトナムとパリで交渉してついに南ヴェトナムから米軍を撤退した直ぐ後です。 だから、この時期、表立って戦争は行われていないのですが、共産主義の北ヴェトナムとアメリカの傀儡政権である南ヴェトナム政府が両立していた時代です。 そして、それから2年後、ヴェトコンの総攻撃によって南ヴェトナムはこの地上から消滅するのです。従って、司馬さんがヴェトナムはホーチミンを訪問した時は一応平和でした。しかし、完全に戦争が終わっていたともいいがたい時期です。 ホーチミンと書きましたが、当時の名前はサイゴンでした。司馬さんは北のハノイも行って見たかったそうですが、許可が下りなかったとのことです。 さて、本書の書評ですが、とても、私には批評できるような見識がありません。度々、司馬さんの言っていることが十分理解できませんでした。それは、中国を含めた歴史に関する私の知識が司馬さんのレベルに達していないからです。 一方、司馬さんはヴェトナムの戦争は終わりがない、いつまでも戦争しており、それが代理戦争であり、終わる事がないだろうと書いています。しかし、37年後の今、私たちはヴェトナムの戦争が司馬さんの訪問の2年後には終わって、それから35年経った今日、ヴェトナムは共産党一党独裁の国ですが、ドイモイ政策で大発展しつつある事を知っています。 本書のあとがきで司馬さんは「・・・現地の支局長近藤紘一氏には随分お世話になった。・・・」と書いているところで、私は『あっと驚きました』なぜなら、今司馬さんの本と並行して読んでいる本は、近藤さんの「サイゴンから来た妻と娘」だからです。近藤さんはその2年後南ヴェトナムがヴェトコンの総攻撃で陥落した後で日本に帰ってくるのです。 近藤さんの本については読了したら書きます。 司馬さんの本は良い本です。また、近いうちに再読してみようと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.13 10:14:17
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