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この本は朝日新聞出版の朝日新書です。
本の帯に”私たち、そんなに嫌われてますか?”という文言がありますが、これは本を売らんがための文言でしょう。 本の主旨は、より良い世界のためのリベラル進化論、であり、誰も言わなかったリベラルの真実、を語ろうと言うところにあります。 朝日新聞が多くの人に嫌われているそうです。その理由は、朝日新聞は自由と正義の味方、リベラルの味方、革新派を代表するという顔をしていますが、知識人面が気に食わないと言うところでしょうか? さて、本書ですが、朝日ぎらい、というタイトルは売るためであって、内容はリベラルについて論じています。でも、私には分からないことが多くて読み通す力がありませんでした。 以下に書くのは、橘氏の間違いではないかと思うことが1点あったのでそれを説明します。本書229-230ページです。 ・・・日本ではこのところずっと、「格差」と「自己責任」が問題になっている。・・・・社会学者による日本最大規模の全国調査・・・2015年の調査で「チャンスが平等に与えられているなら、競争で貧富の差がついても仕方がない」との設問に対し、全体で52.9%が肯定的で、・・・・・特徴的なのは「格差社会の被害者」であるはずの貧困層でも44.1%が自己責任論に肯定的で、・・・・貧困層の半分近くは、貧困状態を自分の責任だと考えている。 上記の文章で、下棒線のところだけが橘氏の意見です。つまり、橘氏は貧困層の人も自分が貧困なのはチャンスが与えられたにもかかわらず競争に負けたから仕方がないと思っていると解釈しています。 私はこの橘氏の解釈は間違っていると思います。貧困層の人が「チャンスが平等に与えられているなら、競争で貧富の差がついても仕方がない」とは考えていても、「自分もチャンスが与えられたにもかかわらず競争に負けたから仕方がない」と思っているとは思えません。 私は貧困層の人たちが、一般論として「チャンスが平等に与えられているなら、競争で貧富の差がついても仕方がない」という意見を持っていたとしても、現在自分が貧困なのは「貧困な生まれであったために、 つまり、橘氏の「貧困層の半分近くは、貧困状態を自分の責任だと考えている」という解釈は間違っていると思います。 だから本書は価値がないとは言いません。全体としては私には難しく十分理解できませんでしたが、また、読み直してみたいと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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