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2006年11月16日
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カテゴリ:推薦図書
わたしの区分けする、殿堂入り漫画家の中でも一番好きで崇めている漫画家が山岸凉子さんです。
凉の字、気をつけてください。さんずいの涼でなく、にすいです。


山岸凉子さんの作品では何が一番有名でしょうか。アラベスクとか、日出処の天子とかですかね。
今だったら舞姫‐テレプシコーラがダ・ヴィンチにて連載中ですね。
アラベスクとテレプシコーラは、バレエ漫画です。
テレプシコーラはまだ連載が終わっていないので、なんとも言えませんが、
アラベスクはわたしが読んだ中では未だに「バレエ漫画の最高峰」です。
ストーリー的にも絵的にも、あれに優るバレエ漫画をわたしは見たことがありません。
相当古い漫画ですが、凄いんですよ。
日出処の天子も、賛否両論いろいろ意見はあると思いますが、わたしは大好きです。
山岸凉子さんの絵は凄い。この人にしかこの絵は絶対にかけません。神が宿っている。
今の山岸さんは、歳のせいもあるのか、当時ほどの凄味はありませんけれど・・・
聖徳太子(厩戸王子)が超能力者だった、という設定の話です。
王子の怪しい魅力が凄いです。


でも、今回紹介したいのはこれらではありません。
これらの作品は大作なので、紹介してる人も知っている人も沢山いると思うので置いておきます。
今回は短編から選びました。


まず、1つ目。「朱雀門」。
これは、絵はそうでもないのですが、わたしの一番好きなストーリーです。
全ての台詞が凄くわたしにはしっくり来た作品です。
簡単にあらすじを書きます。
主人公千夏が、芥川龍之介の「六の宮の姫君」という本を読んでいると、千夏のおばさんに当たる
春秋子(すずこ)さんがやってくる。すずこさんは32歳の独身イラストレーターで、今日は
お見合い用の着物を作るために呉服屋さんを呼んでいる。
千夏は、自由に好きなことをして生きているすずこさんに憧れていて、お見合いの話にがっかりする。
しかしすずこさんは、たくさんお見合いはしたけれどどれも断ってしまっていた。
何度目かのお見合いの相手は、今までのサラリーマンとは違って、星の研究をしている人でした。
すずこさん本人も、周りの人たちも、今度こそ上手く行きそうな気がする、と期待していたのですが・・・

まだ読んだこと無い人がつまらなくならない程度にあらすじを書くとこんな風になってしまいますが
この後「六の宮の姫君」のストーリーが、すずこさんの生き方に大きく関わってきます。
「六の宮の姫君」を読み終わった千夏の感想は、「姫があまりに可哀想。救われないよぉ」という
ものでしたが、すずこさんは全く違ったことを考えていました。それは芥川龍之介も意図した所
なのですが、「生を生きない者は死をも死ねない」のだそうです。
「生とはね、生きて生き抜いて初めて『死』という形で完成するんですって」と、両方すずこさんの
台詞ですが、わたしは凄く共感します。
常々わたしが言っている「理想の葬式」の話は、これとおんなじことです。
わたしのほうが表現はバカっぽいけど。
それから、ここには書きませんが、一番最後にすずこさんが語る「お見合いが上手く行かなかった
訳」にも納得できます。本当にその通り。人間の振り幅は、やっぱり負にも正にも同じだけあるのだと
わたしも思いますから。


次。「常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)」
これ、あらすじを上手く説明できません。わたしの下手な文章では。
妹による姉殺しの話なのですが、この二人はたしてどっちが不幸でどっちが幸せだったのでしょうか?
姉・花影(はなえ)は美人だが体が弱く、足も不自由。
妹・雪影(ゆきえ)は健康だが、いつも美人の姉に比べられる地味な存在。
両親もおばあちゃんも、姉には華やかな着物を沢山買い与えたりして可愛がり、
近所の人も、姉が死んだ時に「可愛い方の娘さんが先に亡くなるなんて可哀想」とひそひそ話す。
姉の容態が何時悪くなるか分からないので、雪影はいろんなところで犠牲になっている。
明日が遠足、という日に姉の容態が悪くなり家族がバタバタする中、雪影が明日のお弁当をねだっても
「お姉ちゃんは遠足なんか行ったことないんだよ!」といわれてしまい、一人淋しくメロンパンを
食べることに。
そんなのが積もり積もってこんなことになってしまう。

こういうことって、割と日常的にあることでないだろうか、とわたしは思います。
雪影は確かに健康な体は持っているけれど、「それだけで幸せなこと」という考えは浅はかだと
わたしは思っています。こんなこと書くと批判されそうだけど・・・
もちろん健康なほうがいいことは当たり前ですが、それだけで幸せでいられる世の中じゃないです。
自分が実際どんな状況であれ、自分が納得いかなかったら不満はたまるものです。
どんなに恵まれていようと、どうしても埋められないものがあれば心は満たされないです。
その埋められない穴が、幼い頃から作られ続けた穴、家庭内で生まれた穴だった場合、
それはそう簡単には埋まらないです。
雪影の場合は些細なこと、とはわたしは思いませんが、他人から見たら些細なことでも
本人にとって、そこが求めても求めてもどうしても埋まらない穴だった場合、
そこから抑えきれないものが出てきてしまうんでしょうね。

最近多い自殺なんかもそういうことなんじゃないかなあ、と予想します。
自殺したい気持ちは理解できませんけどね。
だって世の中には楽しいこといっぱいあるから。
でも、その人にとって学校なり部活なりが世界の全てだったらしかたないのでしょうか。
いじめる側の悪さは当然のことですが、本人ももっと他の世界を持てればよかったのに、と思います。
わたしなんてね、死にたくないから、好きなものたくさん集めて、いろんなことやって
心の支えにしてるんですからね。
全ては楽しく生きるためです。素敵な死に方をするためです。


突然話は変わりますが、山岸凉子さんはご本人もよく着物を着るそうですが、漫画にでてくる
着物もやっぱり素敵です。参考にしてます。着物好きな人も、山岸さんの作品を読むといいと思う。

suzakumon.jpg
左の「笛吹き童子」(プリンセスコミックス)に朱雀門、
右の「時じくの香の木の実」(アスカコミックス)に常世長鳴鳥が入ってます。
多分、文庫にもどれかに入ってると思いますが未確認。
両方とも短編集ですが、他の短編もいい。
笛吹き童子の絵、この世のものとは思えない美しさ。本当にこの世のものではないのだけれど。

是非読んでみてください。





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最終更新日  2006年11月16日 23時09分51秒
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