読んでないわけじゃないんですが。
宮部みゆきの「楽園」(超常現象が謎解きの鍵になるとやっぱりお話しが軽くなってしまって、模倣犯と同じ前畑滋子さんでこの話書かない方がよかったんじゃあ・・・と少し思った。宮部なので、ぐいぐい読ませますけど。「模倣犯」読んだとき幸せになってくれないかなー・・・と思った人たちが一部幸せに暮らしていて、それは嬉しかったです。)松谷みよこの「自伝 じょうちゃん」(松谷みよ子さんが私の母よりも年上であること、それなのにそんじょそこらの若い作家よりも力強く文章で微細な描写をやってのけるところ、感嘆しました。淡々と描いてあるお姉様との確執や、活動家のご主人との結婚生活のご苦労にも「時代の中を生きている」人だと思いました。これだけの経験をくるんで児童文学をお書きになったことがすごい。この頃に大人の小説を書かれていたら、痛みが出すぎて生々しくなったんじゃないかなあ、だからプライドをもって、彼女の表現は童話だったんじゃないかなあ。)近藤史恵の「桜姫」(歌舞伎シリーズ。相変わらず現実感がないところが楽しいです。)佐々木丸美の「影の姉妹」(現実感がないのはこっちもだなあ。好きだけど。この本読むと、「忘れな草」「花嫁人形」に戻って人物相関図、書きたくなります。たいてい途中でこんがらがる。)「烏金(からすがね)」「烏金」 西条奈加江戸もの。「しゃばけ」に似た表装で、お話の雰囲気も似ている。ニューウェーブ江戸ものというか。おもしろかったー。嫌味のない話で好きです。一言で言っちゃうと、「善人と莫迦にはかなわない」ってお話だと思いました。読んだことがちっとも負担にならない話し。タタンと軽いリズムで、読んだあとには、明るい気持ちでお昼寝に突入できちゃう。金貸しの話なんですけど、現代の消費者金融に携わる人にぜひ読んでいただきたい。恋愛あり大立ち回りあり騙しあいに助け合い、こどももカラスも年よりもお侍もヤクザものも数学者も勢ぞろい、こんな贅沢に一つの話に詰め込んじゃっていいの!?って呆れるくらい。まさにエンターテイメント!!読めてよかった。うきうきします。