月末、月末。
本読みました。島田荘司の「最後の一球」御手洗・石岡シリーズです。自分が解決できない問題について「引き受けるから悪いんだ」と石岡くんを責める御手洗くんは、いくらなんでも石岡くんに甘えすぎだと思います。・・・自分で解決できないくせに、(御手洗なら、)で事件呼び寄せちゃう石岡くんも石岡くんだけどね。ノスタルジックな青春の雰囲気が素直に愛しかったです。一流とか、天才とか、二流とか、努力とか。スポーツだと特に、残酷なまでに勝ち負けがはっきりして、能力が目に見えて、自分の立ち位置の自覚はどの立場にあるものでもつらいもんだと思います。がんばればできるとか、努力を評価するとか、ウソだもんね。だから私は体育の授業はキライ。(何年前の思い出話だ。)「散りしかたみを」近藤史恵歌舞伎シリーズ、「ねむりねずみ」の続編。「ガーデン」は歌舞伎シリーズじゃないけど、今泉探偵のバックグラウンドを知るために、やっぱり押さえておくべき話だと思います。「ガーデン」読んで歌舞伎シリーズ読むと、おもしろさが全然違います。さて、「散りしかたみを」、さらりと読める話でした。「ねむりねずみ」ほどしつこくないけど、もっと現実離れした話になっちゃったなあ。男の心が女から離れる感覚の描写が鮮やかで少し怖くなりました。着物を着る人に、この本、ざらっとでいいから読んで欲しいな。それで、「女」の着る着物について、それが艶やかで目を引くものなのか、教えて欲しいな。と、思いました。「和服の似合う身体」を持つ女性は、存在自体、魔性のものに思えます。憧れ!「閉鎖病棟」帚木蓬生引き込まれて、ぐいっと読んだ。骨太のテーマ貫いていて、いい小説でした。淡々とした筆運びに少し怖くなりました。閉鎖病棟で毎日を送る患者さんたちは、どこも壊れてはいないようだけれど、(?)と残る心の動きや衝動がどこかある。指の先に刺した、木の刺のささやかな痛みのような違和感。(そんなに簡単に人を殺せるものだろうか。)過去にも今にも、たとえ命を引き換えにした行為であろうと。自殺や殺人を、医師の目から、現象として冷静に描写している。読んでる最中、ずっと薄ら寒い感じがしました。もやもやとする問題作です。残酷なまでの偶然も合わせて。「ドリームバスター」宮部みゆき1から4まで一気読み。1と2とを読んだときに、あんまりおもしろいと思わなくて、3が出てるの知っていたけど読んでなかった。4を読む機会があったので、思い切って1までさかのぼって、最初っから読み直し。おもしろかった!1と2が、プロローグにしか過ぎないんだな。3で話が動いて、4で展開する。じゃあって「3」から読もうとすると、「1」「2」の複線が絡んできて、読みにくい。一気読みが正解だと思います。まだ出ていない「5」を早く読みたくて、今、うずうずしています。私は某J事務所の少年たちが大好きでございますので、この小説の主人公、「赤いバンダナを巻いた口の悪い美少年」シェンに、くやしいけれど、心揺さぶられてしまうのです。壁蹴って、天井まで駆け上がって踵落としを決める身の軽さ、もうそれだけで惚れちゃうよーん。カワイイ!本だけ読んで過ごしたいなあ!