4月は、いきなり2ステージというハードな日程となりました。
前回、12月後半にひょんなご縁から参加させてもらった奈良女子大学管弦楽団さん、春の演奏会にもお声がけをいただき、演奏会にのせてもらいました。
《奈良女子大学管弦楽団 '17 スプリングコンサート》
日時:2017年4月30日(日) 開場12:30 開演13:30
場所:橿原文化会館 大ホール
指揮:木下麻由加(客演)
曲目:
「エグモント」序曲/ベートーヴェン作曲
「ペールギュント」第1組曲/グリーク作曲
交響曲第1番「春」/シューマン作曲
演奏曲目別の詳細内容は、次のとおりです。
- ベートーヴェン:「エグモント」序曲 (12回目) 3Pult中1Pult In 独弓、4弦、E線C下げ固定
- グリーグ:「ペール・ギュント」第1組曲(3回目)3Pult中1Pult In 仏弓、4弦、エクステ未使用
- シューマン:交響曲第1番「春」(5回目) 3Pult中1Pult In 独弓、4弦、エクステC下げ
(アンコール) - チャイコフスキー:「くるみ割り人形」から「トレパック」 独弓、4弦、エクステ未使用
コントラバスは前回に引き続き、全員エキストラの6人という編成。そのうち私を含めて4人は、前回の12月定期に引き続いての参加です。
編成的には比較的小さい(弦楽器は上から、10-9-8-7-6人)割に、低弦が厚めの構成。しかもコントラバスパートは、プロの方が2名も参加してくださっており、レベルの高いVcパート(こちらにもプロの方が・・)と相まって、ベートーヴェンや、グリーグの「オーゼの死」では圧倒的な存在感だったかもしれません。
ちなみに、バスパートエキストラ6人中、4人が男性。しかも私のようなオッサンまで混じっており、「女子大」のオケ・・?!とアンケートで書かれないか、と冷や冷やでした。
(実際には他のパートにも、私と同世代とおぼしき男性を見かけ、若干ホッとしましたが)
何にしても、団員が十数名、というのはほんと大変だと思います。新入生の勧誘を頑張ってもらい、ぜひ団員が増え、コントラバスにも現役生が入ってほしいものです。
グリーン響さんに続き、私にとってはこちらも初めてのホール、奈良県橿原文化会館。橿原市の大和八木が最寄り駅で、駅からのアクセスも良く、立派なホールでした。
内部は所謂「多目的ホール」で、バックヤードの動線とかは効率的に出来ていました。響きはやはり多目的用途なので、分離が良い代わりに響きは少なめ、という生音勝負のオケにとっては若干シビアなホールでした。
客席は約1300名を収容できる大きなものですが、600名を越えるお客様がお越し下さっていました。奈良女子大の本拠地は奈良市内(奈良公園も近い、ホントの街中)ですから、そこから高速道路使っても30分くらいは離れた所に、これだけのお客様・・ありがたいことです。学生さん達の動員努力はもちろんのことですが、来てもらえる、というのは本当に幸せなことだと思います。
指揮は冬の定期と同じく、木下先生。若手女性指揮者、ということで女子大の学生さんからしたら「お姉さん」という感じで、先生からも妹に接するようなリラックス感があり、リハーサル・練習も非常に和やかに進みます。曲の解釈も正攻法で、リズミックな所は爽快に流し、歌うところはロマンティックに、というもの。演奏する側も聴く側も安心できる演奏になったように思います。
「エグモント」序曲は、アマチュアオケ、特に学生オケ定番の曲目で、私もとうとうステージが10回を越えてしまいましたが、今回は初めてエクステンダーで第4弦(E線)をCまで下げ・・いや、下げっぱなしだったので、調弦自体を上からG-D-A-C(通常はG-D-A-E)で弾いてみました。通常のE線を緩めることになるので、テンションは下がるため張りのある音は難しいですが、他の5弦(2台ありました)と上手く共鳴すると、下げた音としての存在感も出る感じとなりました。
最近はエクステンションはすっかりC固定です。
今回のベースは6台。うち5弦が2台、エクステンダー1台と、低音の厚みも十分。
2曲目は、ペールギュント第一組曲。最初に演奏したのは多分演奏旅行(リスト記録外)。直後に滋賀医大さんと演奏、それ以来、直近の台風で本番遅刻した時の演奏会まで飛んでしまう、というのが不思議なくらいですが、組曲を全部やる、となるとそのぐらいだったかも知れません。意外。
演奏は、弦楽セクションのエキストラ陣パワー全開、というしっかりしたもので、オーゼの死、アニトラの踊りなど、薄めの弦編成ですが納得のサウンドだったように思います。オーゼの死は、かなりの好演だったように思いました。
メイン曲はシューマンの「春」。4曲ある彼の交響曲の中では一番親しみやすい曲調で、技術的にも4曲の中では演奏しやすい曲です。(編成も、Trb入り、Tubaなしの標準2管編成なので、学生オケがとりあげやすい)
しかし、そうは言ってもシューマン。彼独特の厚塗りのオーケストレーションは、上手く整理しないと「ごてごて」のサウンドになってしまいます。
そこは経験値高い弦のエキストラ陣に、木下先生の要所を押さえたコントロールで、爽やかな中にもしっかり歌の入った、愛すべきシューマンが出来上がったように思います。
4楽章最後のコーダの追い込みも上手く盛り上がり、演奏後にはブラボーもいただけるようないい演奏になりました。
アンコールは「くるみ割り人形」、組曲中もっとも快活な「トレパック」。快調なテンポで進むなか、コントラバスは非常にキレのある後打ちが出来て(特にリハーサルで)、これはこれまででも最高のリズム刻みを経験できたように思います。こういう音が自オケのバスセクションでも出せたらなー、と思うことしきりでした。
次回の演奏会は12月、場所を奈良国際会館に移しての定期公演となります。曲は未定とのことですが、まずは新入生を1人でも多く勧誘して、多くのメンバーで演奏できるようになって欲しいと心から願っています。
奈良女子大学管弦楽団での演奏履歴(通算6ステージ目)
- 第14回定期演奏会 1983/11 奈良文化会館
- 第15回定期演奏会 1984/11 奈良文化会館
- 1988スプリングコンサート 1988/5 奈良女子大学講堂(旧:いまの文化財の方)
- 第19回定期演奏会 1988/11 奈良文化会館
- 第46回定期演奏会 2016/12 奈良県文化会館
打ち上げは、場所を奈良市内の学内へ移しての立食パーティー。さすが女子大、と唸らせるメニューを前にして、バスパートは4人が集結。プロの先生、そのお弟子さん、そして大阪を拠点に活躍している若手ベーシストの方と楽しい時間を過ごさせてもらいました。
打ち上げでの写真。パワフルな若い皆さんとの共演で、刺激をいっぱいもらいました。
過去の演奏経歴です。通算286ステージ目
■ ベートーヴェン:「エグモント」序曲
- 船曳 圭一郎/滋賀医科大学管弦楽団(1988/06)
- 奥村 智/緑交響楽団(1991/12)
- 星野 貢/アンサンブル・フィガロ(1991/12)
- 長田 雅人/北里大学交響楽団(1992/10)
- 川合 良一/秦野市民交響楽団(1993/10)
- 関谷 弘志/駿河フィルハーモニー交響楽団(1996/11) *現:三島フィル
- 小林 研一郎/富士フィルハーモニー管弦楽団(2005/12)
- 有馬 純昭/びわこフィルハーモニーオーケストラ(2009/04)
- 宅間 司/草津チェンバーオーケストラ(2009/11)
- 岩井 一也/滋賀医科大学管弦楽団(2013/06)
- 北原 幸男/京都大学交響楽団100周年祝祭管弦楽団(2017/2)
■ グリーグ:「ペールギュント」第1組曲(演奏旅行での演奏は除く)
- 船曳 圭一郎/滋賀医科大学管弦楽団(1988/06)
- 楠 敏也/墨染交響楽団(2011/09)
■ シューマン:交響曲第1番「春」
- 手塚 幸紀/京都大学交響楽団(1985/06)
- 柿元 生也/京都大学交響楽団(1985/07)
- 藤崎 凡/清水フィルハーモニー管弦楽団(2004/06)
- 有馬 純昭/びわこフィルハーモニーオーケストラ(2011/05)