<エメラルド>
サンフランシスコの金持ちを渡り歩く母親から生まれ、
誰が父親かはっきりしない出自から、一躍のし上がり人生
自分自身も大金持ちのカーペンティエールの養女になったそうですが
「本も女の子も新品の方がいい」なんていう男の養女ですよ
文学とオペラ以外に、何を学んだのか……
アメリカの社交界デビューして
ポーランドの公爵と婚約すると吹聴して、新聞で撤回という恥をさらしても
すぐにイギリスの海運業創業者の孫(と言っても22歳年上)と婚約
大金持ちに5000万ドルの持参金付で結婚したのに、隙間風の入る田舎の邸宅
華やかさの欠片もない生活だし、子育ては放棄
ロンドンで遊び、不倫をして、夫をあっさり捨てて、
ロンドンの高級住宅に引っ越して、レディの肩書を引っ提げて、
エドワード皇太子が来るほどのサロンを主催
素性がわからないアメリカ人でも知的で人あしらいがうまいと、
本当にのし上がれるんですね
むしろ、アメリカ人だから、素性がわからなくても、突飛なことをしても
「アメリカ人だからね」で大目に見られたのかもしれないけど、
芸術への援助など、受け入れられる素養はしっかりあったのは事実。
高級娼婦には教養が必須なのも納得です。
新しく即位した王と王妃にうとまれても、第一次世界大戦で世論が変わり、
モードという名前を捨てて、1920年代の狂乱の時代にサロンも大盛況
こんな奔放な母親から生まれた娘ナンシーも、同じく奔放かつ攻撃的
黒人ミュージシャンと交際し、写真のモデルにもなって、過激な有名人
それに比べたら、エメラルドはイギリス貴族社会に溶け込みたい保守派って
エドワード皇太子に女性を紹介して、地位を確固たるものにしてるんだし、
母子ともにベクトルの違いだけで、スカラーは同レベルに思える
<ナンシー>
女性初のイギリス国会議員
夫とはアメリカからイギリスに向かう船の中で出会い、着く頃には婚約
まぁまぁ、長い船旅ですから、そういうこともあるでしょう
旦那さんの家も、もともとアメリカ人で、イギリス人になり、
大富豪で、慈善事業の功績から子爵を与えられたそうなので、
ナンシーの持参金がなくてもよかったし、
祝いに世界最大級のダイヤモンドのついたティアラと大きな屋敷までもらえたし。
邸宅はホテルになってるそうなので、泊まってみたいな~
義父の議席を引き継いで夫が国会議員になり、
夫が返上した議席に立候補して、見事当選したけど、
いつでも先駆者の女性に、周りは冷たいんですよねぇ
チャーチルと口喧嘩するって、威勢と機転の利く人ですよね。
選挙の争点も、女性の労働時間の短縮と子供の栄養改善って
女性有権者の心をくすぐりますねぇ
<シンプソン夫人>
歴史上、本気で名を残している女性ですね
エメラルドがエドワード皇太子に紹介したセルマを介して、
皇太子に紹介されたシンプソン夫人
バツ1で結婚二回目、子供もありながら
頭がよくて、博識で、気の利いた皮肉を言える上に、
視線で男を虜にできる美人
旅行に行くセルマに頼まれたからと、愛人になるなんてね
紹介したセルマも何を考えているのだか、よくわからないです
死別じゃないのに、国王となったエドワードと宗教上の理由で結婚できないなら、
教義を変えればいいじゃない! ってことですね
障壁が高ければ高いほど、燃えるってもんです
シンプソン夫人を王妃にしないことで結婚を認めると提案して
事態を収めたのが、チャーチル
母親がアメリカ人ですしね、恋愛を尊重する態度は立派です
シンプソン夫人が身を引こうとしたら、自殺をほのめかす国王
世論が許さなくなったら、シンプソン夫人はフランスに逃げ、国王は退位
悲しんだのは、王宮に入り込もうとしたエメラルドくらいですね
まぁ、エドワードはイギリスの伝統を破り、ヒトラー信奉者でしたから、
もしエドワードが国王のままシンプソン夫人と結婚して、
王であり続けたら、第二次世界大戦はどうなってたんだろう
想像したら、ニヤニヤが止まらない
イギリスも枢軸国に入っていたら、日独伊+英の四国同盟?
イギリス領も枢軸側になるから、世界中あちこちに同盟地域ができて
ソ連の出方も変わったかもしれなくって、戦争の結果も大きく変わった???