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カテゴリ:Science
「若き物理学徒たちのケンブリッジ ―ノーベル賞29人 奇跡の研究所の物語―」(小山慶太、新潮文庫)を読む。
物理学者ラザフォードの伝記にして、19世紀末から20世紀初頭の原子物理学・量子力学・核物理学の伝記でもある1冊。 ケンブリッジのキャヴェンディッシュ研究所の第4代所長であるラザフォードの門下からは、本人を含めて13人ものノーベル賞受賞者が輩出されている。しかも、物理・化学・生理学医学の全分野で受賞している。原子に関する学問自体が若かったこともあり、受賞者らは皆若くして才能を如何なく発揮し、その成果がノーベル賞受賞に結びついている。 ラザフォードに関して凄いことは、本書でも繰り返し綴られているが、研究者として(主として)実験に長けていただけでなく、大勢の優秀な門下生を育成したという教育者としても優れていた点である。門下生の名前は、大学で物理を習った人間ならば誰でも知っているような超有名所が揃っている。ラザフォードはホントに偉大であったことが良く判るし、現在の原子核物理学・素粒子物理学がどのようにして生まれてきたのかということも良く判る1冊。 最近小説ばかり読んでいてノンフィクションは久しぶりということもあるが、それを抜きにしても秀逸な1冊である。 これで今年69冊目。 若き物理学徒たちのケンブリッジ/小山慶太 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.12.19 20:29:57
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