(令和5年12月7日)中日春秋丸写しで一句 裏金は当たり前よと冬将軍♪
中日春秋 (書写) 裏金は当たり前よと冬将軍 18世紀後半のフランスの国家財政は火の車。再建のため、国王ル イ16世から財務長官に任ぜられたのが、スイスの銀行家ネッケルで ある▼改革への抵抗勢力と闘うネッケルは自らの主張の正しさを民 に説くため、国家予算の全貌を開示した。絶対王政のこの国で前代 未聞。民衆は宮廷への巨費投入を数字で知り不満を募らせた▼やが てネッケル罷免の報に民衆は怒り、圧政の象徴・バスチーユ監獄襲 撃へと至った。公金の使途開示もフランス革命の誘因となり、開示 によって国家が国民の評価を受ける政治がつくられていったという (ジェイコブ・ソール著、村井章子訳『帳簿の世界史』)▼最近聞 く永田町のカネを巡る疑惑も革命を招くとは言わぬが、大ごとにな りそうな気配である。自民党の派閥が政治資金パーティーで集めた 金の一部を各議員に戻し、収支報告書に記載しない裏金にしていた 疑惑を検察が捜査中という▼大規模で常態化していたとも。疑惑の 目は岸田政権を支える最大派閥・安倍派などに向けられる。どうせ ばれぬと思い、政治資金は透明にするという国民との約束を破って いたのなら、醜い▼バスチーユ監獄襲撃の知らせにルイ16世は「 暴動か?」と聞き、側近が「いいえ陛下、これは革命です」と応じ た話は有名という。問答は、事の深刻さを国王が理解していたかを 疑わせる。わが宰相は大丈夫だろうか。