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カテゴリ:今日読んだ漫画
本日2回目の更新です。ボブ絵も見てね。 カケアミキング(笑)山川直人さんの短編集。 山川さんはデビューして、かれこれ20年近くなるという。でもブランクの時代も長くて、「ギュッと縮めると、キャリアは10年くらい。」だそうだ。言葉にするとそれだけのことに思えるが、漫画を描いていた以外の10年間の山川さんはいったいどんな事をしていたのだろうか。 「ひとりあるき」という短編の中で、女の子が主人公に向かって言う。 この主人公は山川さん自身だろう。そう、山川さんは、漫画を描かなかった10年もずっと漫画のこと、自分の夢のことを考え続けてきたのだと思う。だから、夢を持つ人、その挫折、夢をかなえて失ったもの、夢の変節、そういったものを描かずにはいられないのだと思う。そしてそれらの物語は、夢の甘美さと残酷さをよく知った山川さんだからこそ、描ける物語なのだ。 夢は甘くて切なくて苦い。そんな胸苦しさを感じる作品集だった。
一方そんな夢の話と共に、いくつかシュールな短編が収められている。眠り続ける彼女を世話する話や、大雨が上がって水浸しになった町を泳いで彼女の家までたどり着く話。中でも「脱皮」という話はものすごいワケの分からない話だ。何となくカフカの変身を思い出したりして。こういう昔のSFみたいな作品が、じつはとても面白い。今度はこういうシュールなものばかり集めた本も作って欲しいものだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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