力強い拍手が場内を揺らした。
力強い拍手が場内を揺らした。 最近、私はソ連の言論人から、社会、経済、政治的発展の前提条件として、霊的ルネサンスの重要性について質問を受けました。私はこの機会をお借りして、この点に関していくつかの私の見解を説明しようと思います。 まず、こうした霊的ルネサンスは極めて重要なことです。そのためには、人間の置かれた状況について、より深い哲学的、宗教的理解が必要です。これは通信や言論とは直接的な関連はないかもしれません。しかし、このことについての理解は、私たちが真の世界平和を樹立していくためには、とても必要なことであり、これこそ私が生涯を通じて探求し、発見し、教えてきた真理の本質なのです。 このように前提されて、先生はご自身の教えの根本である統一原理の核心に触れた、非常に宗教的で精神的なメッセージを語られた。先生は、神の天地創造の理想と神の子女アダム・エバの堕落、メシヤを通しての神の救いの摂理、キリストが人類の真の父母として降臨され、真の父母主義時代を到来させることを語られ、社会的、経済的、政治的発展の前提条件として、精神的、霊的復興が重要であると強調された。そして結論に行かれて、 ソ連が道徳的、経済的ルネサンスを遂行する姿が目に浮かびます。私はそのルネサンスを奨励し、支援するために、できる限り最善を尽くすつもりです。私は皆様の祖国ソ連とソ連国民を心の底から愛しています。皆様は今、新しいソ連革命に着手しておられます。それは銃弾なき無血の革命でなければなりません。すなわち心と魂の革命です。…… この広大なソビエト連邦は、極東では私の祖国韓国と国境を接し、西部では西洋文明の発祥の地であるヨーロッパの心臓部にまで広がっており、本来この国はヨーロッパとアジアの架け橋となるべき運命を担った国であります。今や私たちは、私たち自体が、地球という一つの家に住んでいる一つの地球家族であると考えなければなりません。 神の祝福がソ連国民の皆様にあることをお祈り致します。 これは見事な説教であった。宣言であった。いや、ソ連の上で弾けたみ言葉の原爆であった。このみ言葉を皆が傾聴した。水を打ったように静かであった。み言葉が終わるや否や、全員が感動と驚異に満ちた眼差しで、起立して文先生に拍手を送った。 このメッセージを聞いた五百名のソ連側参席者の中には、ソ連の外務次官、ゴルバチョフ大統領顧問、ソ連共産党中央委員会国際部次長、ソ連共産党中央委員会外交政策顧問、ソ連最高会議経済改革委員会副委員長などがいた。 ソ連国営テレビ放送の報道局長は、「レバレンド・ムーンの言葉は、ソ連共産党の幹部たちが生まれて初めて聞く説教であった」 と語った。 ノーボスチ通信社ウラソフ社長は、味わい深い言葉でこの会議を評した。「本質において、今回のこの会議は冷戦が既に終結したという証拠である」 ここで特記しなければならないことがある。一生を共産主義との闘争に捧げてこられた文鮮明先生であるがゆえに、誰もが先生の口から火を吐くような反共思想と、共産主義を呪う言葉が飛び出してくるだろうと思っていた。ところが、予想に反して、先生は一言もソ連や共産主義への非難の言葉を語られなかった。ただ真理を吐露されただけである。怨讐を攻撃して彼らが解放されるのではない。彼らに真理を与えてこそ彼らは解放されるのである。先生はどこまでも積極的、肯定的な道を行かれる。彼らを貶す時間があれば、一言でも多くの真理を教えたいのである。「また真理を知るであろう。そして真理は、あなたがたに自由を得させるであろう」(ヨハネ福音書八章三二節)。先生は果たして“愛のメッセンジャー”であり、“真理の使徒”であられた。