帰路につきました
ようこそ、お越し下さました。10月末に島を出て、36日間の旅にピリオドを打ちました。長かったようで、短かったようで、なんとも言えません。友人なんかに、「そんなに長く夫婦で旅して、よくケンカしないでいられるね」と聞かれるのですが、残念ながら全くその心配はありません。私達の旅は、日常を離れて44年もの間連れ添った夫婦の最終章でもあります。ここでは、非日常に身を置くことが大切かと思います。人間関係や地域のしがらみ、あらゆる心配事から解放され、純粋に旅を楽しみ、「夫婦」を楽しみ、日本の素晴らしさを再確認する“時”の連続でしたね。夜明け直前の三輪明神の大鳥居です奈良の最後は、山の辺の道を歩きました。山の辺の道は、桜井市から天理市を経て、奈良公園に至る全長35kmの日本最古の官道と言われております。その起源は弥生時代にさかのぼるそうです。古い道です。現在は山林、集落、田畑の間を縫うように通っていて、その両脇にはいくつもの神社や古寺、古墳が見られる丘陵地帯です。万葉の歌碑も随所に見られ、とても気持ちのいい道です。山林を抜ける際にはその眼下に奈良盆地が大きく開けており、生駒山や二上山、そして葛城・金剛の連嶺を背景にした大和三山なども遠望できます。歴史街道そのものといった所。多くの歌に詠まれた二上山です。生涯に一度は歩いて見たい道ですね。この道をを歩かれたら、日本文化のふるさとは大和だと確信されることでしょう。帰りの道すがら新東名の足柄SAから、富士山の見送りを受けました。いつ見ても、美しい山ですね。こんな長旅に出られる幸福を、心から感謝いたします。