|
全て
| カテゴリー未分類
| 怪談
| 回想
| のろけ
| お下劣
| 舌戦又はのち、のろけ
| 回想とノロケ
| ミステリー
| コラム
| 戦記
| 私信日記
| 植物
| 音楽
| オートバイ
| 映画・テレビ
| 怪獣
| 特撮(怪獣を除く)
| 雑記・会話
| 模型(ジオラマ)
| 風俗・文化
| セックス
| 特筆日記
| SF物語
| 機関誌
| 科学
| SF物語(番外編)
| 絵画・イラスト
| 予告編
| 先史時代幻想
| 『恐竜境』仮定・先取り物語(物語一部)
| 数学・数式
| 雑記
| 山本夏彦氏のコラム
| 書籍
| 松田聖子
| 漫画
| 家電等生活用品
| 軍事・外交
| 特撮全般
| 動物
| 祝日等
カテゴリ:雑記・会話
夕子「おはよう、あなた今朝は早いのね・・・、ん ? ・・まさか・・」
村松「今晩はの続き」 夕子「えーっ ! ? ひょっとして、あれから徹夜で ? 」 村松「うん。何んか、ハハハ、照れるけど、うれしくて眠れなくてね。完璧じゃないけど、寝室の家具配置フォト・ショップ版に挑戦してたら、アハハ、富士山が見えて来ちゃった・・。さすがにフラつくね」 夕子「じゃあ、夜中に上で何か物音がすると思ったら・・」 村松「お前さんの寝室に置く予定のタンスさ、サイズの近いの、二階の和室の物置みたいな部屋にあるから、雑物どけてさ、ようやく撮影して、そのあと、俺の寝室のベッド撮影した」 夕子「まさか、めまいなんか・・」 村松「大丈夫。お前さんこそ、俺がガタガタうるさくして、迷惑したんじゃない ? 」 夕子「ううん、おかげさまで、エアコンたきっ放しにしてくれて、電気毛布も、足元にたたんで入れてくれたから、湯たんぽみたいで快眠よ」 村松「良かった。わざわざ泊りに来てもらって、具合悪くしたら、申し訳ないもの。あ、そろそろ薄暗いうちに帰るんだよね。あの、洗面所がつまってて、使えないから、悪いけど、風呂場で歯磨きなんかして。今度、予算の都合ついたら、修理してもらうけど」 夕子「わかったわ。でも、ホントに身体、大丈夫 ? 」 村松「お前さんも、変則の休日一日残りだから、帰ったらゆっくりくつろいで」 夕子「そんなこと、気づかいしなくていいわよ。でも、お言葉通りにするわ。家具も急がないほうが賢明だしね」 村松「お前さん、歯磨きしなくても、口臭ないね。部屋の空気みたい」 夕子「あ、じゃあ、せっかく徹夜作業してくれたから、あたし急いで歯磨きと洗顔済ませて来る」 村松「歯磨きはね、俺の使いかけきたないから、新しいの使って」 夕子「そんなことしないわよ、もったいない。じゃ、待っててね」 ![]() カタログの寝室風景。ベッドはシングルのようだ。 ・・・・・・・・・・ 夕子「お待ちどおさま」 村松「ていねいだね。歯間ブラシでも使ってんの ? 」 夕子「そんなことまで、あたしはしないもの。例えば風邪を引く前兆で歯痛(はいた)が出ることだってあるから。それに前にも言ったように、毎食後いちいち歯磨きしないもの。逆に特に若い人や、健康生活好きの人がよくやるけど、そういう人の中に、いくら始終磨いても、口臭があるって人、いるもの。あたしは、嗅覚の性質で、人の口臭には鈍いけど・・」 村松「俺もエチケットで、磨いて来ようかな」 夕子「言ったでしょ。いいの ! それより、帰る前に合成画像見せて」 ![]() 村松「がっかりするよ」 夕子「しないわよ。さあ、早く ! ほら、午前6時過ぎると、今朝みたいに天気のいい日は富士山がハッキリして来るから」 ・・・・・・・・・・ ![]() 夕子「うわあ、凄い ! 」 村松「徹夜の朝に、一服の清涼剤だね。お世辞でも、やっただけのことあるよ」 夕子「良く出来てるじゃない ! ホントよ。これだけやれば上等よ。へえー・・・、寝室が生まれ変わるわね」 村松「お前さん、朝食は ? 」 夕子「今時、一日三度なんて、身体に悪いって説も出てるわよ。帰宅してから朝昼一緒で充分」 村松「あれ、よく知ってるね」 夕子「あなたはどこで知ったかわからないけど、あたしの会社では、製品にも関係して、起床後すぐ食事するのは、必ずしもいいとは言えないって、広まってるもの。第一、三度の食事習慣って、昔はなかったのよ。それと、あなたのご両親の時代は、いわゆる粗食に甘んじたし、今の人より、身体をよく動かして、仕事や家事をしたから、三度食べたのよ」 村松「俺、スカパーの『超ムーの世界』で知ったんだけど、有名人では、タモリやビートたけし、それから俳優の何んと千葉真一が一日、これも驚きの一食だって。極真空手有段者の千葉真一の名前で、いっぺんに説得力感じた」 夕子「あたしも見たわよ。三回も食べ続けたら、特に年配になってからは必ず肥満になるわよ。それとね、二回や一回にこだわらなくていいから、空腹感がいよいよって時にしかも腹八分がいいって、テレビで言ってたでしょ。あれ、正しいと思う。・・・とは言え、さて、軽く朝の一杯は悪くないから、あたしは紅茶で目覚ましも兼ねて飲むけど、どお ? あなた、寝てないから良くないかしら・・」 村松「お前さん、ホント、用意がいいね。完全な紅茶党。ありがたくいただくよ」 夕子「この湯沸し、便利よね。あら、ちゃんとフタをしてる」 村松「暑い時節は虫が入るからね。その習慣で今でも・・」 ・・・・・・・・・・ 村松「さすが経験長いだけある。何んかコクのある味だね」 夕子「良かった。それほめられると、うれしいの」 村松「『別れの朝』って歌、思い出しちゃった。この紅茶は冷めてないけどね」 夕子「もう一度見せて。でもホント、よく出来てる」 村松「けっこう雑になったよ。壁もきたなくしちゃったし、タンスに立体感がない。言い訳だけど、ホントに正面から撮影してこうなった」 夕子「そんなことないわよ。部屋に本物が入ったのを撮影したみたい。でも、夕べも大変だったわよね」 村松「そうだね。・・・でもさ、お前さんが帰る時、見送るの、めめしいって思われるかも知れないけど、もうさびしさが増して来るんだよ」 夕子「言葉を返すわけじゃないけど、あたしは、今は息子がいるけど、普段は、誰もいない家の中に入ると、あなたと過ごしたひとときの反動みたいに、さびしくなるわよ」 村松「・・・・・」 夕子「どうしたの ? 」 村松「お互い、同じなんだって、つくづく思ったの・・」 夕子「しんみり、しちゃったわね・・。あたし、もう一杯飲むけど、あなたは ? 」 村松「いただくよ」 ・・・・・・・・・・ 夕子「あたしって、あなたのお母さんに可愛がってもらったからかなぁ、多分あなたの次に、お母さんのいない今がさびしいわ」 村松「お袋ね、長女と十(とお)離れていたから、お前さんみたいな娘が欲しかったって言ってたよ」 夕子「やだ、泣きそうになっちゃった・・。お母さん、必ずあたしの味方してくれたものね。少しは批判的なこと、あなたに言ったっけ・・。あ、ごめん、これじゃお母さんに失礼よね」 村松「昔話になるね。でも、俺たちがもめてた頃、俺を慰める口調で意見を言ったことはあったけど、お前さんを直接非難することは、全く言わなかった。むしろ、俺がお袋に言わせようとしたくらい・・。あり、これはまじかったかな」 夕子「その話、お母さんから聞かせてもらった。だから、お母さん、信頼出来たの。それも『変にとらないでね』とか『ごめんね』とか、前置きしてからだから、本当に優しい人って思ったもの・・。ううっ・・・・・。ごめん、泣くの、がまん出来なかった・・」 村松「万一、お袋に魂があったら、きっとお前さんに感謝して喜んでるよ」 夕子「やだ、そんなこと言われると、また・・」 村松「いや、ごめんよ。さて、明るくなるとマズいだろうから、見送ろうか」 夕子「もし迷惑なら遠慮なく断わってね。あの・・、あたし、この冬はお休みのたびに会いに来たい。無理に言ってるんじゃないわよ」 村松「歓迎するよ。それに、近所の目をそろそろ気にしなくていいよ。24時間営業で待ってるから」 夕子「ふふっ、面白い ! この冬は楽しくなりそう。・・でも身体のことがあるから、無理しないでよ」 村松「お前さんも身体をいとうてくれよ。何んだか『喜びも悲しみも幾年月』みたいになったなぁ」 ・・・・・・・・・・ 車が去ってゆくのを見届けたい思いを断ち切って、玄関で別れをお互い告げた。 63才の冬も、まんざら捨てたものでもないと、彼女の笑顔が私にも伝染した心地だった。・・・なんちゃって。柄でもないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.12.09 20:46:07
コメント(0) | コメントを書く
[雑記・会話] カテゴリの最新記事
|
|