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テーマ:イタリアワイン大好き!(738)
カテゴリ:ヴィーテ上級大阪
昨日の日記でカンパーニア州、というよりはナポリという
都市の気質とそれを取り巻くカンパーニア州のワインの 性向というものについて触れてみました。 意外に知られていないことですが、イタリア統一以前、つまり は19世紀中ごろまで、ローマとナポリ、あるいは フィレンツェとヴェネツィア、またミラノなどは全く違う 国家として存在していたということは、イタリアを知る上では 基本的な線になるだろうと思います。 都市という美術のあり方、人々の顔や性質など、この国の ヴァラエティーの豊かさは、そうした歴史から生まれてこなけ れば、存在し得ないことです。 ギリシャ人がブドウをもたらさなければ今の南イタリアのワイン は存在しないに等しいことになってしまいますし、ヴェネツィア 人の東方貿易なしに、北東イタリアのブドウ品種の謎は解けない でしょうし。 そしてカンパーニアは、ギリシャの「新しい都市」=ネア・ポリス として誕生したナポリを中心として発展した古代ローマ時代に カンパーニア・フェリックス=豊穣のカンパーニアと呼ばれた 豊かな大地、気候を有する地方であったことにもこれまで度々 触れてきました。 外枠はある程度、知っていただいたかと思いますので、いきなり ワインの味わいについて、コメントしていきます。 外堀と内堀を双方で感じることがワインを楽しむことでは 大切ですよね。 マストロベラルディーノ ラクリマ・クリスティ ビアンコ 2006 750ml まず、マストロベラルディーノのワインは、ヴェスーヴィオDOC という比較的海に近い、ヴェスヴィオ火山麓の火山灰質の土壌から できる、この「ラクリマ・クリスティ」か、イルピーニアという 内陸の高地でできるかで味わい的には大きな差が出てきます。 上のワインは、そのヴェスーヴィオDOCのサブゾーンである 「ラクリマ・クリスティ」の白ワイン。 コーダ・ディ・ヴォルペ100%のシンプルなタイプです。 シンプルなつくりだけに果実味やブドウそのものの風味が ストレートに出ます。 洋ナシやトロピカルフルーツの香りにミネラルから来る 苦味とシャープでややひ弱な酸が存在しています。 甘い香りが顕著で、酸は若くシャープながらポテンシャルは 強くないので、引きが実に綺麗。 サッと口の中を酸と苦味で閉めていくという印象です。 キュッと冷やして食前酒や乾杯に、スナック類などにあわせる のも素敵なワインです。 グレコ・ディ・トゥーフォ[2006]/マストロベラルディーノ 二つ目のワインは、グレコ・ディ・トゥーフォです。 近年DOCGに昇格しました。今回の比較テイスティングでは 最も果実味が豊かで、ストラクチャーもしっかりとした凛と したモダンワインで、テイスターのほとんどの人がこのワインが 3本の中で一番美味しいと評していました。 次のワインはカンパーニアの第一人者たる白ワインです。 フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ[2006]/マストロベラルディーノ フィアノ・ディ・アヴェッリーノDOCG。 果実味と共に、独特の香りを持っているワインです。 ワインとしての質の高さと個性を合わせて持つ、素晴らしい ワイン。 南イタリアのワイナリーがこぞってこのブドウ品種でワインを 作りたがるのがわかるというものです。 ワイナリーの資料には「典型的なヘーゼルナッツの香り」と 描写されていたのですが、僕にはどうしても、そのような 香りには感じませんでした。 でも、ナッツはナッツですね。むしろくるみや落花生、ある いは、アーモンドのよう。僕の中でヘーゼルナッツや やはりシャルドネ×バリックなので、圧倒的に違う。 それでも、このワインはステンレスタンクのみの熟成ワイン なので、樽香ではないんですよね。 樽香がなくても、それらしいニュアンスがきっちりと出て いる。これは個性的であり、ワインとしてもとても深みを 感じさせるものです。 ラクリマ、グレコ、そしてフィアノ。 三つをこのマストロベラルディーノ社でコレクションして 比較しながら楽しまれることをお勧めいたします。 続く お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/07/26 02:43:59 PM
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