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テーマ:イタリアワイン大好き!(738)
カテゴリ:ピエモンテ州のワイン
イタリアにおける「ブラン・ド・ノワール」の地といえば オルトレポ・パヴェーゼDOC にとどめを刺します。 ここでは何故か伝統的にピノ・ノワールの耕作が盛んです。 なぜ盛んなのかについては、歴史を紐解く必要がありましょうが おそらくは、前々日のマルケのピノ・ノワール同様にナポレオンの イタリア侵攻以降の歴史とかかわりがあるように思います。 ところが、このオルトレポ・パヴェーゼ・・・近年まで大量生産系の スプマンテの生産地として名を馳せておりましたし、あのブルゴーニュ のピノ・ノワールとは程遠い、うすっぺらな赤ワインが多く存在する ワインの里というイメージが僕にはあって、あまり関心が行かなかった のです。 例えばロンバルディアやピエモンテの有名スプマンテ生産者の ピノ・ノワールだって、大体はこのロンバルディアとピエモンテ そしてエミリア州との境に位置するオルトレポ・パヴェーゼの ピノ・ノワールを使っている場合が多いんです。 だから、あまり感心するワインに今まで出会ってこなかったのかも。 以下のワインが、ようやく鑑賞に堪えうるブラン・ド・ノワール として登場してきましたが、それでも、ん~~~、本場 シャンパーニュの傑作とは比べようもない作品です。 そしてここに登場したのが、ピエモンテの大手フォンターナフレッダ社の ピノ・ネーロ100%、シャンパン方式のスプマンテであります。 ここはかつては、貧弱でまずいワインが多かったんですが 近年若手で有能なエノロゴを専属で置いてから生き返りましたね。 ダニーノ・ドロッコ なかなかのイケメン醸造家でありますが、彼の作っているワインは 彼に似てイケメンなのです(^^;) 「はは~ん、ピエモンテのピノ・ノワールね。つまり 名前ばかりはピエモンテでも、オルトレポのピノを使って んでしょ?」 なんて、思わず疑ってしまったわけですが、ワインをテイス ティングして、その軽はずみな言葉を撤回しなければならない 自分が恥ずかしくなります。 ここには、シャンパーニュに匹敵するエレガントさと力強さが その原石であるブドウから磨かれたことを感じさせる美味しさ があります。 色は深みのある黄金色。泡の木目細やかさは言うまでもありません。 数多く、ゆっくりと立ち上がります。 香りは、前々日の「インペーロ・ビアンコ」で感じたような、 あからさまな赤い果実香は、ここには感じられません。 あくまで熟れた洋ナシやリンゴがあり、しっかりとした フランスパンの香りとシンプルに溶け合っているように感じ ます。 押し付けがましくなく、シンプルで実に綺麗な感じ。 口に含めば、柔らかなシルクのような泡の存在と、ふくよかな ボディー、そして綺麗で伸びのある酸があり、思わず、 半笑いになるような旨さです。 そして特筆すべきは余韻の香りですね。バニラ系の香りを 感じさせながら、じわじわと赤い果実の香りが立ち上って くるんです。 魅惑的な瞬間です。 ここは注意深くテイスティングすべきです。 シャンパーニュなら、髪の毛を引っ張り上げられるような 強烈でいて、磨きに磨き上げられたような酸の存在を 感じさせますが、これはアルプスのこちら側のワインです。 フランチャコルタ同様に落ち着いています。 一つの突出した要素に研磨をかけて、全体像を作り上げる ワインではなく、全体のバランス感覚を非常に大切に 扱ったワインという感じがします。 価格にしては絶対にリーズナブルだと思いますね。 今回テイスティングしたワインの中では比較的大人しい 存在感がありましたが、今思い出すと、もう一度飲んで 見たいという感覚は一番強いかもしれない・・・。 大きな生産者だけに、フォンターナフレッダの今後の スパークリングワインでの活躍にも目が離せませんね。 大いに期待したくなる味わいのブラン・ド・ノワールでした!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009/08/22 12:36:49 PM
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