糖尿病は、予備軍を含めると1,620万人といわれる国民病で、この糖尿病の予防策です。
この運動宣言は広く知られるとよいことですが、世界の流れからするとこれだけだと20世紀のものと感じます。
成人病=生活習慣病は、発症してから治すのは大変ですので、予防に勝る治療はありません。
運動を生活習慣に取り入れていく工夫が大切だと思います。
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◆糖尿病学会シンポジウムが「21世紀運動推進宣言」を発表
「運動は、だれでもどこでもいつでもできる簡便な糖尿病の予防手段である」などとするステートメント「21世紀運動推進宣言」を発表した。
「医師はもちろん、一般社会も(糖尿病予防における)運動の重要性を認識してほしい」(本シンポジウム座長で名古屋大学総合保健体育化学センターの佐藤祐造氏)という。
糖尿病専門家の強い危機意識による訴えとして注目される。
宣言は以下の9カ条からなっている。
1.「運動」は誰でも、どこでも、いつでもできる簡便な糖尿病の予防手段である。
2.「運動」はインスリン抵抗性を改善させ、糖尿病の発症を抑制する。
3.「運動」は血流を増加させ、インスリンの血糖低下作用を増強する。
4.「運動」は骨格筋のAMPキナーゼを活性化し、インスリンに関係なく血糖低下を促す。
5.抗酸化ビタミンは「運動」が一部持つ悪玉効果を抑制する。
6.現代社会において奪われた「運動」を取り返そう。
7.地域、職域施設・診療所などでのメディカルチェック、「運動」体験学習の機会を作ろう。
8.「運動」習慣を確立し、個々の健康増進目標を達成しよう。
9.体力、血糖値、血圧、血清脂質の目標値を設定しよう。肥満者では現体重の7%減を、また臍周囲径を男性85cm、女性90cm各未満を目標にしよう。
シンポジウムでは、運動が糖尿病の改善に寄与する分子機構として、骨格筋収縮によるAMPキナーゼを中心とした話題を京都大学内分泌代謝内科の林達也氏が、NO産生を中心とした話題を名古屋大学総合保健体育化学センターの押田芳治氏が報告した。また、運動療法と2型糖尿病患者の酸化ストレスについて大阪市立総合医療センター内科の石井伴房氏が、耐糖能障害に対する国内の介入試験『日本糖尿病予防プログラム(JDPP)』の中間解析を山形大学医学部臨床検査医学の富永真琴氏が発表、あいち健康の森健康科学総合センターにおける糖尿病教室など運動指導について、同センター指導課の津下一代氏が現状と問題点を紹介した。
佐藤氏とともに座長を務めた滋賀医科大学内分泌代謝内科の柏木厚典氏は、「2010年の糖尿病発症者数は世界で2億2000万人、アジアはこの10年で57%増えると予測されており、糖尿病の予防は不可欠。本シンポジウムの成果を踏まえ、社会に対し、運動の推進を訴えていきたい」と強調していた。
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