大晦日の午後
なにげなくニューヨークタイムズ紙のサイトを開いたら、アフガニスタンでの爆破事件に関する続報が目に付いた。 犠牲者の中にCIAのスパイがいたらしいというのだ。 爆破は自爆テロだったとされている。事件は日本時間のきのう、水曜日(30日)にカブール南東パキスタン国境に近いホースト州(Khost Province)で起きた。 この地域は「最重要マーク」が付されたエリアであるらしく、米軍による厳重な警戒が敷かれていた。記事には「警戒網を破った自爆者は大胆不敵」とある。 もしCIA諜報員の死と確認されたら、911事件からの8年間でただひとりのCIA要員殺害事件となるという。 If C.I.A. operatives were killed, the attack would be the single deadliest episode for the spy agency in the eight years since the Sept. 11, 2001, attacks. The C.I.A. has previously acknowledged the death of four officers in Afghanistan in that time period. (12月30日付ニューヨークタイムズ紙ウェブ版) 国内紙のサイトでは、ついさっき朝日新聞のAsahi.comで「アフガンで相次ぎテロ 米国人8人、カナダ人5人死亡」という見出しを見つけたが詳報はまだのようだ。 この大晦日、個人的には苦しいながらもなんとか無事に過ごせた1年間だったと振り返ることができるが国際情勢はすさまじいことになっている。 バラク・オバマ米大統領はアフガニスタン戦線を拡大させるようだし、ノーベル平和賞受賞演説では「武力行使は人道主義的理由に基づく場合など正当化されることもある」とさえ述べた。 オバマ大統領の苦衷は察してあまりあると思えるとはいえ、戦争の正当化を公言するなんぞは認めるわけにはいかない。こんな発言をしているとろくな目に遭わないぞと思っていたらこんどのホースト州爆破事件だ。 ものの本によるとCIA要員は命がけを承知で任務に就くらしいが、だからといって殺害目標にされてもかまわないということにはなるまい。最重要地帯の警備を破るのが戦争なのだろうとはぼくでも考えられる話で、探るべき道はそうした戦争をやめることにしかない。 自爆事件はひっきりなしに起きている。 国際政治の歪みを感じるばかりだ。 話は変わるが、毎日新聞の「今年亡くなられた人々」を読んで感慨を深くした。 同紙のサイトでは写真版もあり、大原麗子さんや丘灯至夫さん、あるいは栗本薫さんの面影に見入った。 ことに栗本薫さんはインタヴューした際のやりとりが思い出され、若すぎた死を悼んだ。 昼過ぎ、外ではたいへんな強風が吹き荒れているらしい。 大晦日なのに、真夏の暴風雨のような音がする。 そのさなかに買い物へ行っていた陽くんが帰ってきた。 寒かったろ、というと「出がけには雪が降っていた」とのこと。 夕方、かみさんが帰宅。 陽くんの買い物にあった挽肉はかみさんの注文によるものだったが、陽くんはその想定よりも上等な挽肉を買ってきたらしい。 で、大晦日の夕食は上等な挽肉を用いた餃子なのだそうだ。 目標は最低50個という。 しかし、それでは足りないだろう。 そうそう、上の写真はいまの季節ではない。 今年のそらを代表してもらうつもりで載せるものです。 およそ2時間ののち、餃子は100個作ったことを知った。 4人家族ながら上の息子の蓮太郎くんは数個とごはんを一膳食べて出かけ、残った3人で食べたのは80個前後。 あまりの量におどろいていたら、陽次郎くんが「作るのはいつも100個だよ」という。 陽くんはきょうも餃子作りを手伝っていた。 食後、その陽くんはテレビの格闘技中継にかじりついている。 かみさんは「第9」を聴いている。 ぼくはジャズを、ソニー・ロリンズの『ALFIE'S THEME』を聴いている。 2009年の大晦日。 北陸から中国地方にかけて日本海側に大雪と、各報道機関がトップニュースで伝えている。