香港マカオの旅ー香港編―南Y島で最高峰の山地塘登山とハイキング
2017年11月5日今日はフェリーに乗ってラマ島(南Y島)に行く。なぜ、1つの島にラマ島と南Y島という二つの名前があるのか、わからない。ラマ島は香港島の南西に位置する、香港で3番目に大きな島だ。7時頃起床。ラマ島でおいしい海鮮小籠包の朝食を食べるとのことだったが、お腹がすきそうなので少し口に入れた。カーテンを開けると窓の外はローソクのように細長いビルが立ち並んでいる。アイランドホテルから坂道を登って地下鉄の西營盤駅へ行った。地下鉄は最近できたのかきれいだった。堅尼地域という標識があり、Kennedyと読む。アメリカ大統領の名前の地名があることに驚いた。2駅で上環に着いて、4号碼頭へと高架ビルで大きな道路を渡り、フェリー乗り場へ行った。ビルの向こうから朝日が昇り、早朝の気配がする。7時半なのだが。8時の榕樹湾(Yung Shue Wan ユンシュー湾)行きのフェリーに乗船。フェリーから眺める香港の町は、まざにローソクのようにビルが密集して立ち並び、壮観だった。フェリーで30分ほどで島に着いた。リーダーから地図が渡されていたが、南部の概略図だった。東の入江の榕樹湾から西へ海岸沿いに歩いて索罟湾(Sok Kwu Wanソックー湾)へ至るという。ラマ島は自動車と4階建以上の建物は禁止されていて、車は小型の消防車と救急車以外は荷物運搬用の電動カーが走っているだけのエコのリゾート地。空気の澄んだ漁村を海岸沿いに歩いて行く(冒頭写真)。芸術家村でもあるのか、猫のポストカードを無造作に壁際に並べて販売していた。きれいな蝶が花にとまっている。海沿いに海鮮レストランがあった。ここで朝食を摂る。小さなセイロに入った小籠包を、それぞれに数個ずつ買って皆で分け合って食べた。シュウマイやよくわからないものがあったが、蒸しパンも美味だった。さて出発。商店街に入ると土産物店があった。皆が岩海苔を平べったくウチワ状にしたものを買った。10香港ドルで安かった。帰国後はいろいろな料理に使えて美味と判明。もっと買ってくるのだったと反省しきり。住宅地の方へ迷い込んでUターン。商店街に標識がありました。トレイルの入口にパンやジュースを売っている店があった。果物の生ジュースはしぼりたてとのこと。キューイのジュースは濃厚でビタミンを飲むような気がした。帽子を売っている店もあった。町のたたずまいを楽しみながら歩いていく。次々と村の標識が現れる。村の規模が小さいのか。眼に珍しい花々。正体不明の建造物。保育園かしら。3つめの大灣新村に入って間もなく、森の中にスイーツ豆腐花(ダウフファ)の店があった。テントしつらえの、一見粗末というかワイルドなお店なのだが、香港で一番有名な豆腐花のお店だそうだ。お玉で無造作に豆腐花をすくってくれる。豆腐花は柔らかな杏仁豆腐のような感じ。ほのかに甘く、口の中であえかに溶ける。西国分寺の北口に豆腐花が作れる店主のいる店があった。「自分は香港で6年修行してきた、日本でこれを作れるのは自分しかいない」と言っていた。残念なことに次に行くと店はなくなっていた。もう10年も前の話。この白い豆腐花の上に抹茶などを振りかけたら日本人にも受けるのでは。日本でおしゃれな店を出せば、はやるのでは。「原宿でお店をしない?」と、裕美子さんに持ちかけたが軽く無視された。大企業の勤め人は違う・・・。店の周囲の南国風な風物やヤシなどの植物が目を楽しませてくれる。しばらく行くと海岸に出た(10:15)。皆がトイレに入った。そこから登りになる。結構な標高を登る、といっても3,40mか。10:40、峠に着くとお店があって、見晴らしがよい。思わず椅子に座って海を眺めてしまう。しかし、私と裕美子さん以外は椅子などに目もくれずすたすたと歩いて行ってしまう。そこから下り坂になる。前方に見えるのは、これから目指す最高峰の山地塘(SHAN TEI TONG)だろうか。海岸線も見えてくる。10:45、分岐で皆に追いついた。リーダー、知子さん、マサ子さんが道標を見上げて地図と見比べている。私は無関心に脇を通り過ぎた。そのうち、眼下、左に海がみえてきた・・・。地図によれば、今日は左手に海の見える場所を通らないはずだが・・・。この地図と地形の間の齟齬、異境にワープしてしまったような不可解感。まさか、大きな地震か地殻変動があって、地面が海になってしまったのだろうか・・・?しかし、とても最近そのような地殻変動があった場所には見えない。道標もなんだかちんぷんかん。出てきた村の名前も???土地勘の良い知子さんが読み解いたことを教えてくれた。それによると、リーダーさんが勘違いしていたのだった。私達は北の榕樹湾に着いたのだが、東の模達湾(Mo Tat Wan)を榕樹湾と勘違いしていたのだ。西へ歩いてきたのではなく、榕樹湾から南南東へ歩いて、索罟湾(Sok Kwu Wanソックー湾)が見えていたのだ。概略図には榕樹湾は切れていて載っていなかった。にわかには半信半疑な気もしたが、謎は氷解した。リーダーさんがチビっと方向音痴なことも。11:15、降りていくと索罟湾に出た。無線ボートで遊んでいる人がいた。海岸沿いに進むと天后宮が見えた。天后宮の前の広場で20分ほど休んで、ランチにする。天后宮は地元の漁師が安全と豊漁を祈りる廟で、150年の歴史があるが、2005年に火事にあって再建されたという。真新しいせいか(派手目のトイレにも見えた)、誰も見物に行かなかった。女性の二人連れと話す。一人は日本人で、もう一人は中国人とのよし。11:45、山地塘を目指して歩き始める。階段道で遊歩道のようだ。墓などある。12:10、峠に着く。東屋で一休み。中国人の3人グループがいたが、子連れで、ここまでで帰るようだった。ストックの忘れ物があった。グループの男性がサルが忘れたのだろうという。。北東に菱角山(LINKOKSHAN、250m)がある。山頂に建造物があり、ずっとゆるそうな階段が付いていてハイキング。南西に稜線に岩を配した山がある。岩々はストーンヘンジの直立巨石を思わせる。その様をリーダーさんが見事写真に撮ったので、それを借用して作品集をのせます。その後方、左端が高くなっており、これが山地塘(SHAN TEI TONG)のピークだろう。結構本気で行かないと・・・。12:25、山地塘へ出発。登山道を少し上がると下りになっていて、そこから進むと本格的に登りになった。急な登りが続く。ところどころで藪をこぐ。海が見える。菱角山と山頂の白い建物がよく見える。13:10、一段落したところで一休み。裕美子さんが急登におじけづいたか、ここで待っているというので、もう急な登りはないし、ピークはすぐ先と励ます。実はその先もゆるんだものの登りは続いていた。灌木の中の展望のきかない平らな登山道を進んでいく。左に曲がる道があったが、先行するチサコさんとレイ子さんはまっすぐ行った。私たちもそちらに行こうとすると、二人が何か言っていっているのが聞こえ、戻って来た。下りになっているので戻ってきたようだ。分岐から左のルートの先に小高いピークが垣間見えた。マサ子さんが持っていた磁石で確認すると、左奥が山頂だった。左折すると、頂上ドームがあった。その基部で、女性1名男性2名の中国人グループが下山してきた。ここで国際親善で盛り上がる。彼らはスマホの写真を次から次へと見せて、これが××岩なのと、自慢げに見せてくれる。English cnversationになると、裕美子さんと知子さんの出番。しばし歓談した。10分ほど、最後の一登りをすると、13:40、山頂に出た。太く白い円柱が立っていて、山頂の道標だった。やあ、さすが、海の中の山の頂きじゃ~、気持ちよろしい~。東側の海と山の大展望。海に尾根が伸びて、岬になっている。少しガスがかかってきたようで、香港島のほうはあまりみえない。山頂の先を見に行くと、すれ違った中国3人組が写真を見せてくれた岩が点々と見えた。名前が一つ一つ記されていたら面白そうだが、そこまで行く時間はなかった。中国人によると、その先は道はないとのことだった。南側は急斜面で、そもそも開けていず、町もなさそうだ。14:00、山頂出発。左右の海と山の光景を楽しみながら下っていく。右折して急な下りに入る手前でまっすぐ行ってしまい、下から見えていた大岩の脇に出た。ここは通っていないと、戻って、来た時に登って急な下りを降りることができた。風力発電所が見える。原子力発電所でなく、ほっとする思い。最後の一登りして、15:15、東屋に戻った。ここで、メンバーの疲労を考慮して、リーダーから隊を2つに分けて、1隊は天后宮に直接降り、もう1隊は菱角山を回って降りるという提案があった。私が菱角山は下りの一部みたいなもので、ゆっくり登れば全員で行けるといって全員で行くことになった。画伯の重いザックを若きエースの知子さんが持った。菱角山の登りはゆるい階段の遊歩道だった。道の脇や山腹に巨岩が多かった。振り返ると、山地塘が西に傾きかけた陽を浴びている。くっちゃべりながら登っていくと、予想通り山頂はあっけなかった。ここにも白い円柱の道標があった。もう登りはないせいか、皆リラックスして笑顔になった、画伯が早速スケッチブックを広げ、色付けに10分待ってほしいとのことで待った。完成したときの画伯の笑顔。山頂の先の白い建造物(電波塔)の脇を通り過ぎると、すぐ、北側の海岸に降りる登山道があった。ちょっと怪しい道かと思ったが、下までしっかりついていた。16:45、空が赤味を帯び始めた時刻に索罟湾(Sok Kwu Wanソックー湾)のフェリー乗り場に着いた。海岸に出ると海鮮料理レストランが海沿いに立ち並んでいた。海鮮料理を食べに香港からわざわざ来る人もいるそうだ。混雑している1件は帰りのフェリーのチケットをサービスするとか。リーダーの先導で地元の方に人気の「威記海鮮酒家」に入る。アワビなど取って豪華に打ちあげる。最後の晩餐である。皆、いつにもまして食欲を発揮した。巨大な蝦蛄(シャコ)はひげもじゃで見た目のインパクトが強かった。お世話をしてくださったリーダーの労をねぎらって、6名で割り勘にした。フェリーで香港島に戻った。素敵なフランス青年をナンパしてご機嫌だった人がいるらしい。そこからまた別のフェリーに乗り換えて、九龍半島へ向かう。香港名物のイベント「シンフォニー・オブ・ライツ(幻彩詠香江)」を見物するため。香港島の高層ビルから放たれるレーザー光線のナイトショーをビクトリアハーバーの夜景を背景に眺めるという趣向。香港政府観光局主催で毎晩20時から開催されているそうだ。ベストポジションは九龍半島の尖沙咀ウオーターフロント・プロムナード(東部海濱公園)で、私たちが着いたときはすでに多くの観光客が海沿いに並んでいた。最前列でカメラを構えている人もいる。20時、開始。赤、緑、白、黄色などのレーザー光が幾筋かの光の帯として夜空に投射され、右に左に暗闇を突く。光の饗宴。アップテンポなバックグラウンドミュージックがアジテイトするかのように放送される。ショーは13分間で終わった。ちょっと短い感じ。でぞろぞろと人並みに混じって尖沙咀駅から地下鉄で戻る。縁日や盆踊り帰りの人の波にいるような感じ。リーダーのお勧めで2階建てバスに乗って夜景を見るのも土産話の内と、西營盤駅の2つ手前の中環駅で降りてバス停で待った。しかし、リーダーさんの意中のルートのバスが来ないらしい。私は眠くなってしまったし、身も心も満腹感で一杯だった。皆も同じだったらしく、バスに乗るのはやめて地下鉄でホテルに戻ることにした。朝と違って、西營盤駅はホテルのそばの出口に出た。通路の立体壁画が面白かった。ホテルのロビーで買ったケーキを食べて、朝早くから夜遅くまでよく歩いて盛沢山だった本日の締めとした。(写真の一部を奈良さん、富田さん、小出さん撮影のものを使わせていただきました。ありがとうございました。)