越後駒と中ノ岳-1日目標高差1750mを登るー
お盆のはずが梅雨時のような天候となり、中央アルプス与田切川の二泊三日の予定はとんでしまった。私は急遽、尾根歩きに転進することにした。2017年8月12日浦佐駅に東京から2名、金沢から2名が集合した。送迎を買って出てくれたマキさんも集合。空模様が怪しかったが、リーダー匙さんが到着した16時頃から本降りというか、土砂降りとなる。テント泊の予定だったが、急遽、浦佐温泉山城館に宿泊することにした。山城館は合宿がキャンセルになったそうで、お盆のこの時期に空いていた。素泊まりで4320円。浦佐温泉には4件の宿があったが、ほかは満室で、かつ高級風の宿もあり、この宿が民宿風で、我らのニードに最もマッチしていた。2室をあてがわれ、1室は次の間付きで快適。夕食をスーパーとコンビニで買ってきて、部屋食とした。夕食前に入浴。出発前が忙しかったので、温泉で一息つけて幸せ。22時頃に就寝。8月13日4時半起床。部屋食。イクラ結びなどを食す。5時半にマキ車に男性2名が乗って出発。6時15分ころ戻って来たマキ車に女性2名が乗って出発。6:40頃、大倉口コースのサイクリングロード入り口に着いた。そばに坂本神社と大倉橋がある。本来は越後三山森林公園駐車場まで車まで入れるはずだったが、大倉橋が工事中とのこと、森林公園まで歩行1時間のアルバイトが追加される。ただ、許可車は通行できる模様で、地元車か関係車両は通行しており、リーダーさんはモラリスト(?)。ここは標高は250m、越後駒までは標高差で1753m。このコースは越後駒から八海山を周回でき、車の回収が便利なことから選ばれることがあるらしい。しかし、歴史的な標高差ではある・・・。カメさん班の匙さんがりダーなので目算はあるのだろう。6:55、マキさんに見送られてサイクリングロードを歩き始める。メンバーは匙リーダー、金沢のザキさんとマサエさんと私の4名。マサエさんはダントツに若く、今回、初対面。雲が低く、山は見えない。荷を背負って硬い路面を歩き始めると、整形外科的な弱点が現れて、股関節にひびく。7:30、橋を渡ってくの字に車道に合流。一息入れる。その先で砂防工事のために遠回りを指示される。キャンプ場は休業中。回っていくと、7:47、千ノ沢小屋に着いた。駐車場があって、登山者のものと思われる車も駐車していた。工事関係者と思われる車が上からやってきて、雪渓が残っているところがあるので注意というような由。7:56、「モチガハナ沢出合い直前林道上の残雪の崩壊が進行中で悪くなっている」との注意書きがあった。8:13、前方の崖に大きな滝がかかっている。右岸に滝が次から次へと落ちている。きれいで、見ほれるような滝もある。センノ沢の滝やオツルミズ沢にかかるオツル滝なので、道面が水浸しで、リーダーが思わず靴をサンダルに履き替えようとした場所もあり、ここは増水時は渡渉が難しいらしい。水無川の流れもなかなかきれい。8:44、道に雪渓がかぶさり、雪にトンネルが穿たれている場所に着いた。ボックスカルバートという場所らしい。2年前の利根川本流で通過した、数多の雪のトンネルを思い出す。それを思い出すと、天井から水滴がひたたっているものの足元が土面であるので安心感がある。まず、私から通過。出た先で、道に戻るところに段差があったが、なんとかよじ登った。最後のマサエさんがここで足がつってしまたっというので、一休みすることにした。バナナを食べる。9:12、そのすぐ先がモチガハナ沢出合いで、9:19、十二平登山口に着いた(487m)。2時間半で標高差220mしか登っていないことになる。いよいよ滝沢尾根の登りに入る。エントランスは水びたしで沢としか思えなかったが、間もなく道になった。突然の急登は心臓のトルクの上りが悪い私は苦手で、しばらく3人の後を追いかける展開になる。9:48,休憩。うっそうとした樹林だが、湿度が高く、陽も差してきて、暑くてばて気味。10:30、一休み。雪見の松。既に標高は800mを越え、急な分、標高の稼ぎが速い。本日のリーダーは時間を気にしているのか、あまりまったりと休まないようだ。水無川の谷を挟んだ対面は八海山の北面だが、稜線は雲で見えない。北面にいくつかの沢が刻まれ、立派な滝が見える。一番右は西不動滝だろうか。標高で1200m以上位から、奥の沢が雪渓を残している。エリアマップで残雪期に下らないように注意書きのある真沢か。ちょっとした角度の違いか、谷の深さで雪渓が残るのだろうか。11:30、一休み。ゆで卵を食べる。雪渓のある沢の雪渓の高さに近づいてきた。標高1100m位か。距離的には今日の行程の半分を過ぎたとか、標高差は2/5近く来た。このころには余り遅れずに行動できた。傾斜はゆるむ場所もあったが、トラロープがある滑りやすい場所もあった。エリアマップで荒れていると書かれているだけある。男性グループ4名が下って来た。急登なので気が付くと、短時間で驚くほど標高を稼いでいる。12:30、1400m位か。一休み。歩き始めると、マサエさんの足取りが重いようだった。段差が大きい所の身のこなし方が馴れていないようで体力を使うのかもしれなかった。しばらく行くと、「足が前に出ないので先に行ってほしい」とのことだった。とりあず、先行している男性2名にマサエさんの不調を伝えようと急いだ。13:20頃、岩峯の我忘峰の登りの痩せ尾根で男性陣がみえたので笛を吹いて待ってもらった。白い山ツツジがきれいな所だった。ザキさんが迎えに降りて行った。私は時間ができたので、みそ汁とお結びを食べて待った。しばらくたつとマサエさんは自分でザックを背負って追いついてきた。ここから、ザキ氏が最後尾につくことになった。最後の踏ん張りどころ、グシガハナの急登にはいる。うっすらとピークが見える。極楽尾根というらしい。何が極楽じゃ!単独日帰りの男性とすれ違う。本日会ったのは5名だった。グシガハナに着けばあとは平らとの由。リーダーさんはマサエさんが遅れないように小刻みに休みを取る(私と扱いが違うようだ)。私は長距離歩きは得意で、絶好調になっていた。15:00、グシガハナ(1811m)のピークに着いた。標識も何もない。おまけに霧がしっかり出て、展望もない。この先は霧の中、尾根を進む。これといった登りがもうないので、気分は楽になる。高山植物が現れて、眼を楽しませてくれる。晴れていてば高原漫歩といったところか。霧の中にニッコウキスゲの群落が幻想的。15:57、グシガハナと中ノ岳分岐。16:20、駒の小屋と越後駒ケ岳山頂の分岐。ここで私は持っている水を飲み干してしまう。明日の天気もわからないので、山頂を踏んでおくことにする。ザックをデポして山頂へ。16:30、越後駒ケ岳山頂(2003m)!匙さんと私にとって96座目の100名山。霧で展望はない。皆、満足してベンチに寝そべった。山頂を踏めた喜びと、今日1日の行程を遂行した達成感をかみしめた。分岐から120mほど下る。左の谷から沢音が大きく聞こえてくる。17:00、駒の小屋(1880m)に着いた。小屋番のおじさんは公務員のようだ。素泊まり料金一人2000円を払った。小屋わきにテントが2張あり、3名いたようだ。小屋の1階には3,4名いたので、広い2階へ行った。3名の茨城からの若者がいた。同じ大倉口コースから来たそうだ。銀マットと毛布があって、使うことができた。銀マットを広げるとさすがに疲労感を感じた。18時、夕食。各自食で、私は親子丼、にゅう麵など、お湯を差せば食べられるものだった。小屋の前には水が引かれていて、気持ちよく水が噴出していた。明日の中ノ岳避難小屋は雨水しかないので、しっかり水を持つことにする。トイレはバイオで、用事を済ませた人は自転車を前へ20回以上、後ろへ10回以上こいで、オガクズを攪拌するシステムだった。20時頃、ザキ氏を騒音予防のために個室っぽい場所に隔離して、就寝した。(GPSデータ匙リーダー作成)