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カテゴリ:落語
前回に引き続き まずこの独演会の前座をつとめたのが立川らくぼさんで、高座で「山号寺号」を演じました。幇間(たいこもち)の一八が若旦那にすべてのものに山号寺号があると言い、例えば「金竜山浅草寺」、「東叡山寛永寺」、「成田山新勝寺」なんて言って知識を披露しますと、意地悪な若旦那が「すべてのものに山号寺号があるなら、いま居る場所にどんな山号寺号があるのかい」と訊き、困った一八に「芸人なら言えるだろう。言えたら一円やろう」と言いますから、そこは幇間の一八ですから知恵を絞って、「おかみさん(山)拭き掃除(寺)」、「乳母(おんば)さん(山)子大事(寺)」、「時計屋さん今なん時」、「高島屋さん左団次」なんて言葉をぽんぽん言います。財布が空っぽになった若旦那が「今度は私がやろう。出した祝儀を全部私の手に乗せてごらん」と言い、手に乗った財布を懐にグッと押し込んで、「一目散随徳寺」と叫んでその場を逃げ出したので、一八は「あ!南無三しそん寺」と残念がったったとか。
志らく師匠は以前はテレビに余り出ない理由として、「老舗の味を守っているんだ。笑点はファミレスのようなもんだ」と言って会場を爆笑させ、最近テレビで師匠の態度や発言が原因ですぐ「炎上」が起こると言い、例えば「行列のできる法律相談所」に出演したとき、りゅうちぇるが発言しているときに仏頂面していたと批判されたそうで、師匠のそんな態度が一部視聴者に悪い印象を与えてしまったようで、「立川志らく、そんなに嫌ならテレビに出なくていいと思う。こっちも見たくないしね」「立川志らくもテレビ的な笑いに付いていけねーならテレビ出んなよ。見てて不愉快だよ」「立川志らくみたいなやつを老害って言うんだろうな」などと手厳しい意見が噴出し、志らく師匠は後日ツイッターで「私はいつも通り、いやかなり緊張してと言うのもああいう空間に慣れていないからそれが不遜な態度に見えたみたいです。でもスタジオの空気はとっても良くスタッフも喜んでくれた。テレビでは悪く見えてしまった。陳謝」と釈明したそうです。 さて肝心の高座で演じた「親子酒」ですが、見事に志らく師匠の「親子酒」にしてしまい、久しぶりに酒を飲んだ父親の酔いが深まる毎に愚痴ったり、悪口を言ったり、世相批判までやり出すというもので、悪口では立川志の輔師匠が「ためしてガッテン」では健康によいものを推奨しているのに、普段の志の輔師匠は立っているのがやっとの不健康そのものだとか、テレビで目のすわった松居一代ネタまで飛び出し、爆笑の連続技にウームと感心させられました。 中入りの後、再度高座に上がった志らく師匠の演じた演目は「中村仲蔵」で、先ほどの高座とうって変わって抑えた演出で、歌舞伎役者の苦悩を通じて志らく師匠の聞き手と芸人のせめぎ合いが芸を高めていくという自論を強く打ち出していました。おそらくテレビに出ることによる芸のファミレス化を自ら戒める噺ではないかと私は受け止めました。 独演会終了後にサイン会があり、師匠に断ってサインのみならず写真も写させてもらいました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年07月16日 19時53分34秒
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