|
カテゴリ:小説・海外
ミステリーの賞をたくさん受賞しているローラ・リップマンのノンシリーズ物です。
私はこの著者さんの小説は、「テス・モナハン・シリーズ」よりノンシリーズの方が好きなんですね。 あらすじはamzonからのコピペ。 それはありふれた自動車事故だった。 加害者の中年女がこう言うまでは。 「わたしはベサニー姉妹なの」―30年前、15歳の姉と11歳の妹が忽然と消えた。 警察の捜査もむなしく姉妹は見つからず、事件は忘れ去られた―この女は主張どおり行方不明の姉妹の一人なのか? だとしたらいま名乗り出た真意は? 不可解な証言の中からやがて哀しくも恐ろしい事実が明らかに… 華々しい受賞歴を誇る著者による女たちの秘密の物語。 amazonに著者の受賞歴も載っていたのでついでに。 1997年にテス・モナハン・シリーズ第一作『ボルチモア・ブルース』で作家デビュー。 シリーズ第二作『チャーム・シティ』でアメリカ探偵作家クラブ賞とシェイマス賞をダブル受賞。 他に、アガサ賞、アンソニー賞3回、ガムシュー賞、クィル・ブック賞、シェイマス賞2回目、ネロ・ウルフ賞、バリー賞、ロマンティック・タイムズ賞、各賞受賞。 女性が交通事故を起こすところから始まります。 警察につかまった彼女は、「三十年前に誘拐されたぺサニー姉妹の妹・へザー」だと言う。 彼女は本物のへザーなのか?。 だとしたら、何故今頃になって名乗り出たのか?。 彼女は偽者なのか?。 事故による被害者も出ているので、その罪を逃れるための嘘か?。 それとも別に目的があるのか?。 小説は事件の関係者たちの現在と過去を行きつ、戻りつしながら進みます。 女性は「へザー」だと名乗り、へザーが知りうる細かな事を証言する。 けれど肝心のことは「今は言えない。」と、決して喋ろうとしない。 物語が進むうちに、ぺサニーの家族の本当の姿が浮かび上がっていきます。 「へザーは本物かどうか」と言う謎と共に、「家族」と言うものもまた描いていると思います。 父親は死亡している。 現在はメキシコに住む母親が、へザーの元に来た時、どんでん返しが待っています。 多感な時期の少女達。 甘い、けれど愚かな夢の暴走が、取り返しのつかない事もありえるのだと思うと、姉妹の三十年に胸が痛みます。 けれどそれを認めた上で、尚、希望があるラストが良いです。 反目し合っているようでいて、しかし相手を思う姉妹の気持ちが感じられた最後の一節がとても好きです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月21日 20時50分09秒
コメント(0) | コメントを書く
[小説・海外] カテゴリの最新記事
|