日経平均1991年来の高値でも…
日本のバブルが崩壊したのは1991年と言われている。今日、日経平均株価がその年以来の高値を付けた。今日の終値は24,120円。1991年11月15日に終値24,099円を付け、それ以来27年近く24,000円台には乗っていなかったわけだ。とりあえず喜ぶべきことであると言っていいだろう。だが、メディアはこういうとき絶対に素直に喜ばない(笑)。街を歩く人々にインタビューし、「実感が湧かないですねぇ」「景気が良くなっているのなら、お給料が上がってほしいです」といった声を拾い集める。実感が無いのは当たり前のことである。日経平均が騰がったからといってすぐに給料が上がるはずはない。給料が上がるのはその会社の儲けが増えたときだけだ。ではどうしたら企業の儲けが増えるのか。実に簡単な理屈で、企業の売上が増えればいいわけだ。ではどうすれば売上が増えるのか。これまた簡単な話である。日本国民が物をたくさん買うか、多くの有料サービスを利用すればいい。今まで何度書いたか分からないが、国民が積極的に金を遣えばいいのである。今の日本では、経済の好循環は消費の増大から生まれることは間違いないのに、いつになっても国民の多くは積極的に消費を増やそうとしない。上に書いたように、日本が好景気に向かおうとしていることをメディアが「実感させないようにしている」のもその原因の一つになっている。ニュースゼロでメインキャスターを務めていた村尾信尚氏など、一橋大学経済学部卒で大蔵官僚経験者なのに、ゼロを引退する最終回の今日もアベノミクスに対する批判的な意見を言っていた。「日経平均の高値を本当の好景気に結びつけるのは我々国民自身です。 我々が消費を増やす、つまりお金を遣うことによって景気は良い方向へ向かうのです。 生活に余裕がある方々はぜひ物を買って下さい。旅行へ行って下さい。 お金を遣って下さい。遣ったお金はあなた本人には戻ってこなくても、 日本の将来を明るくし、あなたの子供達の生活を良くしてくれるかもしれないのです」こんなふうにテレビで真面目に呼びかけてくれる有識者がいれば、少しは日本人の消費も増えるのではないかと思う。だが、そんな気の利いた人間はキャスターや解説者としてテレビ局に呼ばれないのだろう。経済を分かっている人でさえ無意味な人気取りの意見しか言うことを許されないメディア。政府に対して真剣に物を言うフリをし、国民の不満のはけ口を用意するフリをするだけで、建設的な意見など全く言おうとしないメディア。そんなメディアによるニュース報道の存在価値など、一体どこにあるのだろうか。