相馬ひまわり基金法律事務所10周年
相馬ひまわり基金法律事務所は、平成17年4月に設立され、今年で10周年を迎えた。 先日、相馬ひまわりにこれまで在籍したすべての弁護士と事務局が家族を交えて一同に会する10周年記念企画が開催された。 事前の打ち合わせで、結構な人数になるということを頭では分かっていた私も、会場となったとある温泉旅館の宴会室に到着すると、余りの人数、活気、賑やかさに圧倒された。あの日あの場所に集ったのは、なんと総勢26人! まず、弁護士だけでも下記9人。個性が炸裂している弁護士が一同に会する場面は壮観ですよ~、誰とお話ししても面白いんだもん。初代所長の私(現在静岡)二代目所長の渡辺淑彦さん(現在いわき):愛と勇気のアンパンマン。短い引き継ぎ期間に彼から学んだことは計り知れない。最前線いわきで、多くの被災者の心を照らし続ける唯一無二の太陽。二代目松本三加さん(現在いわき):言わずと知れた公設の母、生きるレジェンド。受験勉強時代に彼女の活躍を目にしたことが私の進路を決めた。現在福島県弁護士会副会長。三代目所長の米村俊彦さん(現在横浜):知的で優しい食パンマン。任期途中に東日本大震災に被災し、この時期の相馬に洪水のように訪れた玉石混淆の「善意」の調整を忍耐強く担うという大役を果たした。四代目所長の平岡路子さん:キラキラ瞳が眩しいメロンパンナちゃん。声なき声に耳を傾けたいという情熱を胸に刻みつつのパワフル・剛腕な仕事ぶりでファンを増やし続けている。平岡さんのお連れ合いの松尾政治さん(現在東京):平岡さんと価値観を同じくする好青年。相馬にて日夜奮闘する平岡さんを陰日向に支えるが、もしかすると、今後表舞台に出てくるかもしれない!?西山健司さん(現在南相馬):二代目渡辺所長時代にイソ弁として半年間勤務。東日本大震災時には、南相馬市の現場の声を発信し続け、多くの傍観者の心を揺すぶった。石川裕介さん(現在原町ひまわり基金法律事務所所長):三代目米村所長時代に1年間勤務した後、新設された原町ひまわり基金法律事務所の初代所長に就任、謙虚に被災者と向き合う姿勢が印象的。沼生隆さん(現在山形市):二代目渡辺所長時代に法テラス養成スタッフとして1年間在籍。緻密迅速な仕事ぶり、笑みを絶やさない穏やかな人柄で「相馬ひまわり史上最高の人格者」と評される。 そして、これだけ個性溢れる弁護士が入れ替わる事務所をしっかりと支えてきてくれた歴代事務局3名も勿論参加。下記に述べるとおり、本当に素敵な方々で、彼女たちあってこそ、今の相馬ひまわりがあるのだなあとつくづく実感する。一挙にお会いできて、とても嬉しかったです。Hさん:現役事務局、穏やかで上品なたたずまいながら、類い稀な事務処理能力を持つしっかり者、勤続10年で相馬ひまわりの国宝。Sさん:現役事務局、「包容力に溢れている」という言葉がこれほど似合う女性を私は他に知りません。明るく優しい笑顔がトレードマーク。Kさん:現在は名古屋市で法律事務所事務局、妖精のような容姿は昔のまま、素直な情熱を仕事にぶつける真面目な努力家。 そして、ここに、それぞれの家族が加わるのですが、参加した弁護士や事務局のお連れ合い4人に加え、子どもたちが上は10歳、下は2歳まで総勢10人参加してくれ、賑やかの一言!笑顔と嬌声が溢れる宴会中、こんなに沢山の次世代が育っているなんて、と胸も目頭も熱くなった。今を生きる大人の責任を果たしていかなければ、ね。 夜の宴会は、河岸を変えて、相馬一、いや、日本一美味しいお料理が食べられる「みはらし」にて開催。透き通るお刺身も、淡泊ながら味わい深い柳鰈の干物も、味付けが絶妙すぎる煮物も、青海苔の香りが立ち上るお味噌汁も、すべてが懐かしい。昔以上に美味しい。お料理の写真を撮ろうと思っていたのに、箸が先に動いてしまい、一枚も撮影できず。それだけ美味しかったのです、夢みたいに幸せでした。 それにしても、一人の弁護士、二人の事務局、総勢3名の小さな事務所が、10年後にこんなにも多くの人々にとって、共通の故郷と拠点を作り出しているという事実に改めて驚嘆した。感無量、というのはこの日のためにある言葉だなあと感じた。 それぞれの弁護士が、自分の在籍期間、全力で個性を輝かせて色を塗り重ねていくことで、相馬ひまわりは、この10年間、地域司法の拠点、人材育成の拠点としての役割を果たしてきた。奇跡のような事務所だと思う。 今後も、相馬ひまわりを、多くの仲間と共に、愛し支え、そして全力で応援していきたい。 個人的にも、わずか1泊2日の短い時間ではあったけれど、本当にかけがえのない大切な人々に囲まれて、忙しすぎて心身共にへたっていた自分にとって、この上ない夏休みとなった。 10周年企画の準備に奔走して下さった現役所長の平岡さん、事務局Hさん、Sさん、本当に本当にありがとうございました。心から感謝申し上げます。