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弁護士YA日記

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日出町法律事務所
2019年6月より1年間、日本弁護士連合会客員研究員としてイリノイ大学アーバナシャンペーン校に留学後、弁護士業務を再開しました。
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)
弁護士葦名ゆき(あしな・ゆき)のブログです。
東京、福島、静岡、アメリカと移動しつつ、人を幸せにする法律家を目指しています。
東日本大震災で被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
2023.03.20
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カテゴリ:弁護士業務
袴田事件、検察が特別抗告断念、という速報が入ってきました!!!

3月13日の決定日前から、この日のために、死力を尽くして闘ってきた弁護団、支援者の方々の努力に敬服します。誰よりもずっと闘ってこられた袴田巌さん、袴田秀子さんにも、やっと、心からの祝福を申し上げることができます。ここまでの余りにも長い闘いが、ようやく終焉を迎えそうであることに安堵しています。

私の事務所のパートナーは、袴田事件弁護団で、主力として実働している間光洋弁護士です。

間さんは、紆余曲折経て、実働人数が非常に少ない弁護団の中で、味噌漬けにされた血液の色変化というマニアックなテーマのために、鑑定人のいる旭川に何度も何度も出張し(静岡と旭川は本当に遠いです)、血液の色変化に関する鑑定人尋問や意見書作成といった誰よりも大変な仕事の多くを引き受けて、本当に本当に、心身を削って頑張っていました。
大切なパートナーの渾身の努力が、再審の歴史を変えるかもしれない舞台で花開いていることを、心から嬉しく思いますし、心からの祝福の思いで一杯です。

それにしても、今日に至るまでの舞台裏は、私から見ても本当に壮絶でした。
あらゆる可能性を想定することは、弁護士業務の日常ですが、想定しなければならない「可能性」が極めて苛烈で、一人の人間の尊厳を踏みにじる内容になる可能性がある事件、それが袴田事件でした。

まず、決定前。勿論、弁護団、支援者の誰もが、即時抗告棄却決定になることを信じてはいたと思いますが、それでも、最悪の事態に備えるのも、また、弁護人の仕事です。

袴田さんは、現在、奇跡のような刑の停止決定を受けて、姉の秀子さんと穏やかに暮らしています。
でも、万が一の不当決定の場合は、死刑囚として再度収監される恐れがある事件です。そのため、弁護団は、「死刑もしくは拘置の執行停止を取消す旨の決定」を想定して、職権発動申立、異議申立の書面を事前に準備していました。

万が一にも、拘置の執行停止が取り消されたら、袴田さんの人生は破壊し尽くされることは明らかです。穏やかな日常から引き離すことは絶対に阻止しなければならない。

「作業のために日弁連と往復する時間も惜しい」と考えた弁護団は、「決定文受取のときに、一連の書面を持参する。拘置の執行停止が取り消された場合、直ちに身柄に関する部分を検討する。書面の修正が不要であれば、弁護団長が押印し、高裁刑事訟廷に提出する。修正が必要な場合、1階弁護士控え室で作業をし、修正した書面に弁護団長が押印して高裁刑事訟廷に提出する(プリントアウトは地下のコンビニでできたはずです)」等と冷静に段取りを整えて、決定を受け取りに行く際に、鞄にこれらの書面をしのばせて、決定を受領しにいきました。どんな気持ちで、高裁の廊下で皆様待っていらしたのだろうと考えると心が一杯になります。

また、たとえば、間さんは、3月13日に決定日が決まってから20日までの間、まったく予定を入れていませんでした。特別抗告をしなければならない場合のデッドラインを見据えて、一週間起案に集中するためでした。このスケジュール確保が、無駄になって良かったのですが、かといって、この一週間もまったく暇な様子はありませんでした。
次の目標、特別抗告阻止に向けて、そして、特別抗告されてしまった場合に備えて、やるべき事が沢山あったからです。

特別抗告阻止のためには、世論を喚起し、不当性を訴えることが必要でした。記者会見、集会、署名活動、法曹関係者の声などすべてが後押しになりました。検察側が、特別抗告を検討しているという報道が流れた時点で、弁護団長名で東京高検宛に差し入れた申入書は、法曹かつ人間としての弁護人が、同じく法曹かつ人間としての検察官に語りかける内容で、読み返しても圧巻の迫力です。

また、特別抗告されてしまった場合のことも考えて、弁護人選任届が新たにいるのか、どこの小法廷に配点されるのか等の事務手続的な議論、また、東京高裁への意見書、最高裁判所への請願書(憲法上の権利として構成)等の書面もこの一週間で準備していました。この局面を、弁護団員の皆様全員が、過去実際に経験されていたとは思えないので、コンメンタール等で条文解釈をML上で議論した上での準備をしていました。

どんなに最悪の場合であっても、袴田さんを絶対に守るという弁護人の仕事を完遂するために、四方八方に備えをしていた弁護団の冷静さとプロ意識に、私は、本当に感銘を受けました。
幸いなことに、これらの備えの中には、良い意味で無駄になったものも多かったのですが、そのような無駄を厭わず、仕事をするプロフェッショナルの迫力が、この結果を引き寄せたのだと思います。

最後に、皆様に是非来て頂きたいシンポジウム​「袴田事件からみえる 再審法の問題点」​のご案内です。
申込期限が過ぎていますが、まだまだ受け付けているそうですので、是非ご参加下さい。私も楽しみに参加させて頂きます。映画上映に加え、小川秀世弁護士、鴨志田祐美弁護士という豪華な布陣がご登壇です。

最後に。
弁護団の皆様、支援者の皆様、本当に本当にお疲れ様です。
これからも心から応援しております。





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Last updated  2023.03.23 04:28:04


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