逢うピンク　逢わざるピンク　いずれ　濃き　　　　時実新子

ピンク　たなびかせて　街は　発情期　　　　　　　細川　静

白豚の　鼻の穴から　桃色吐息　　　　　　　　　　山中ごんた

ピンクの封筒　てれるじゃないですか　　　　　　　福井文明

新生児　何も語らず　ピンク色　　　　　　　　　　各務雅憲

なんやしらん　哀しい　ピンク色を着て　　　　　　長井紀子

皺くちゃに　見えるが　実は　ピンクです　　　　　加島　修

憎いあいつ　ピンクの幹に　追い詰める　　　　　　川崎ふみこ

浴室のタイルはピンク　突然死　　　　　　　　　　石田　都

ピンクから　朱鷺色までの　二十年　　　　　　　　峯裕見子

口腔はピンク　激しい恋でした　　　　　　　　　　松田京美