カテゴリ:エセ軍事マニアの呟き
![]() 本日10日、海上自衛隊の砕氷艦『しらせ』(AGB5003)が就役後初の実任務となる第51次南極地域観測隊の支援任務のため、東京・晴海埠頭を出港して一路南極へと出発しました。 財政難から1年間のブランクを経て登場した新『しらせ』は、退役した旧『しらせ』の優れた砕氷能力を継承しつつ貨物搭載能力や搭載ヘリコプター(アグスタ・ウェストランドCH-101)を強化し、さらに艦内で生活排水や生ゴミを処理できる浄化装置を搭載するなど南極の環境保全にも配慮した性能を備えた最新鋭の南極観測船であり、これから日本の南極観測事業の一翼を担っていくことになります。 そういえば、新『しらせ』は就役間もないせいか、旧『しらせ』で毎年恒例だった完熟訓練中の全国巡回&一般公開が今年はありませんでした。幸い管理人は横須賀で2度外から見る機会に恵まれましたが、来年以降は全国での一般公開の実施を期待したいところです。 一方、2008年に退役後、再利用先が見つからず一旦はスクラップになるはずだったものの、その後の屑鉄価格の低迷のお陰で解体を免れて長らく海自横須賀地方総監部に繋留されていた先代の旧『しらせ』(AGB5002)については、南極地域観測統合推進本部が今年6月から改めて再利用先を公募していましたが、奇しくも新『しらせ』の初出港と同じ今日にその結論が出ました。 ![]() 新たな再公募では、東京の気象情報会社『ウェザーニューズ』、沖縄県の先代しらせ誘致研究協議会、広島県江田島市の建築会社『大柿産業』を中心とする誘致グループ、大阪市のNPO法人『日本環境技術協会』の4団体が応募していましたが、その中からウェザーニューズ社の利用計画が妥当と判断され、同社への売却が決定しました。引き渡しは来年3月の予定で、当面は千葉県船橋市で繋留・公開されるようです。 ウェザーニューズ社では旧『しらせ』を環境のシンボルと位置付け、新『しらせ』との混同を避けるため『SHIRASE』と改称した上で気象レーダー設置等の改修を行い、気象や気候変動を調査・公開するモニタリング拠点として、また気候・環境問題についての交流の場として活用していくとのことです。 *南極観測船・先代『しらせ』を環境のシンボルとして再生 <ウェザーニューズ社公式サイト> (注:Web上の記事のため時間経過により削除される可能性があります) 何はともあれ、旧『しらせ』がスクラップを免れて先の歴代南極観測船2隻と共に保存の方向となったのは喜ばしいですが、こうなると旧『しらせ』のスクラップを見越してわざわざ命名基準を変えるハメになった新『しらせ』の命名意義は一体・・・(苦笑) 民間企業であるウェザーニューズ社が引き取り手となり、単なる固定繋留ではなく気象や環境問題についての情報拠点として活用するという気象会社らしいコンセプトが注目点ですが、引き渡し価格はともかく年間1億円かかるといわれる維持費や改修費用を賄って利益を出せるのかという不安もあります。意気込んで手を出したものの結局費用負担が大きすぎて○年後に管理放棄でスクラップなんて事態になったら目も当てられませんぜ(苦笑)ウェザーニューズ社のコンセプトに対して他の企業・団体や地方自治体等から支援を得られるかどうかが今後のカギになってきそうではあります。 しかし、艦名をローマ字の"SHIRASE"に変えるって辺りは何だか大相撲を引退して日本相撲協会を退職後に四股名をローマ字にアレンジして芸名にしたどっかの元大関を連想しますね(笑)でも、そうなると船体の塗装や艦首の艦番号も新『しらせ』と被らないように変えるのでしょうか? 見慣れた海自砕氷艦の塗装が全然違う姿になってしまうというのも何だか残念な気がしないでもなく・・・ (ちなみに、南極観測支援から引退した海上保安庁の初代砕氷船『宗谷』は、その後白色の巡視船塗装に直されて解役まで国内での任務に従事していました) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.11.11 23:46:32
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