1742163 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

くれーじーくえいる ぶろぐ

くれーじーくえいる ぶろぐ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2009.11.25
XML
 去る23日、共同通信社の配信で『防衛省が次期戦闘機にF-35を採用へ』との報道が流れました。
 報道によれば、防衛省は航空自衛隊の次期主力戦闘機としてF-35を40機程度導入する方向で調整中で、2011年度概算要求に契約金等の関連経費を盛り込む方針であるが、F-35の配備開始は2010年代半ばと見込まれることから、一部報道ではF-4EJ退役からF-35配備までの穴埋めをF-15改良型(F-15J/DJ近代化改修のことか?)で繋ぐ案が出ているとも追記されています。

 現用のマクダネル・ダグラスF-4EJファントムIIの後継機となるF-X(次期主力戦闘機)の選定は、大本命とされていたロッキード・マーチンF-22Aラプターが事実上導入できる可能性がなくなり、長らく先延ばしになっています。F-22A以外の候補としてはロッキード・マーチンF-35ライトニングII、ボーイングF-15FXイーグル(F-15Eベース)、ボーイングF/A-18E/Fスーパーホーネット、ユーロファイターEF2000タイフーンが挙がっていますが、F-22Aのスペックが突出している現状では他の機種に見劣りを感じるのは仕方がないかもしれません。そんな中、共同通信の記事では防衛省がF-35を採用する方向で調整に入ったと報じられています。

 ロッキード・マーチンF-35ライトニングIIは、1980年代に米軍が導入したF-16、A-10、AV-8Bといった各種戦闘機・攻撃機が21世紀初頭に更新時期を迎えるのに備えて、これらの後継機を単一の原型機から派生させて調達コストの抑制を図るJSF(Joint Strike Fight:統合打撃戦闘機)計画に基づいて開発されたマルチロール戦闘機で、アメリカの他にイギリス・イタリア・オランダ・デンマーク・ノルウェー・トルコ・オーストラリア・カナダの同盟8ヶ国が参加する多国間共同開発計画となっています。空軍向け通常離着陸型のF-35A、海兵隊向けSVTOL(短距離/垂直離着陸)型のF-35B、海軍向け艦載型のF-35Cの3タイプが開発される予定で、最終的に米英だけでも約3,000機、その他計画参加国やF-16等を使用している潜在的顧客も含めれば総生産数5,000機以上に達すると見込まれる壮大な計画です。F-22と同じく第5世代に分類される機体で、単発エンジンであり航続距離や兵装搭載量等ではF-22に一歩及ばないものの、優れたステルス性能と充分な空対空/空対地戦闘能力を有しており、第5世代機の導入にこだわるなら妥当な選択といえます。
 しかし、この手の多任務統合型兵器や多国間共同開発のプロジェクトには大抵、様々な要求を満たすための設計故の重量増加や計画コストの上昇といったトラブルが付き物で、F-35も設計変更による単価上昇や計画遅延に悩まされて計画自体が大絶賛炎上中、一応2012年からF-35Bの配備が開始される予定ではあるものの未だ先行き不透明というのが現状のようです。

 仮に日本がF-35を導入する場合、空軍向けのF-35Aになる可能性が高いですが、配備は計画参加国が優先されるため、後から開発に参加することになる日本への割り当ては早くても2010年代後半あるいは2020年以降となり、F-4EJの退役には間に合いません。また、開発に後から出資して参加という形になるため武器輸出制限の緩和が必要となるほか、多国間共同開発故にライセンス生産できる可能性もほぼないようで、機体は完成品輸入が前提となります。
 日本国内では戦闘機の生産が2012年頃には終了するため、それ以降の生産技術をどう維持するかが懸念されていますが、国内での生産終了からF-Xの導入まで10年以上もの間戦闘機の新規調達ができず、導入しても完成品輸入となっては自国の戦闘機生産には寄与せず、国内生産技術の維持がどうなるかが最大の問題といえます。


 ・・・・・・もっともこの記事、他のメディアからの追走記事がないなと思っていたら、配信された翌日24日の北澤防衛大臣の定例会見であっさり否定されました(笑)
 以下引用抜粋。

Q:F-Xの話なのですけれども、一部報道でF-35の方向だということなのですけれども、現在の検討状況というのはどうなのでしょうか。
A:あの報道は全く根拠がありません。従来、我々が内閣を引き受ける前に、色々と省内で検討したりしたことがあったことのパッチワークのような話が出ただけで、あれについてコメントする気もありませんし、防衛省の方針があそこに表れているということは全くありません。
<引用ここまで>

 てなわけで、F-35導入という共同通信の報道はどうも同社のトバシ記事だった可能性が高そうです。民主党政権での防衛・安全保障政策の方向性が未だ見えにくい現状では、F-Xについて結論が出るのはまだ先になりそうです・・・
 私見としては、どうしてもステルス性能が必須でF-22の芽がないのであれば選択肢はF-35しかないも同然だが、それは時期的に到底間に合わないF-4EJの後継ではなく、次の次になるであろうF-15J/DJのPre-MSIP機の後継候補として検討されるべきだろうと思います。問題は直近の課題であるF-4EJの後継ですが、F-35以外でベターそうに見えるのはF-15FX、国内の生産基盤維持を考えるなら今更ですがF-2再生産くらいしかなさそうではあります。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.11.27 10:44:16
コメント(0) | コメントを書く


PR

Profile

ブラック・タロン

ブラック・タロン

Calendar

Category

Recent Posts

Comments

名無し@ Re[2]:ファイル43/風の名はアムネジア(02/10) ブラック・タロンさんへ 全く何も分からな…
坂東太郎G@ Re:コッペパンの思ひ出(07/13) 今回こちらのtitleです。 もしよろしかっ…
名無し@ Re:ファイル30/身の程知らずの挽歌(11/01) マーサの名前がナタリーに変わったのは「…
背番号のないエース0829@ デパート 「沖縄りうぼう・SNOOPY」に、上記の内容…
uraevmor@ cheap viagra iq ej viagra generic viagra pills <a hre…
mrxpfmor@ cheap viagra cz pt buy viagra buy viagra <a href=&quo…
vyhczmor@ viagra online kl xx cheap viagra buy viagra <a href=&q…
cvbgkmor@ buy viagra xc kv viagra 100mg viagra online <a href…
btewdmor@ viagra generic zz rm viagra online cheap viagra <a href…
http://buycialisky.com/@ Re:PLUTO広告キタ━━━(・∀・)━━━!!!!(03/31) melange cialis and viagracialis v viagr…

Archives

2024.06
2024.05
2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09

© Rakuten Group, Inc.