カテゴリ:エセ軍事マニアの呟き
アメリカのボーイング社が開発中の次世代中型双発ジェット旅客機、ドリームライナーことボーイング787が日本時間の本日未明に米ワシントン州シアトルにて初飛行に成功しました。
今回もYouTubeに上がっているB787の初飛行の動画リンクを貼り。 *Boeing 787 Dreamliner First Flight December 15 1st Flight (注:Web上の投稿動画のため削除される可能性があります) B787は2003年に計画中止となった遷音速旅客機計画の代替案として、ボーイング767系列の後継機を目指して2004年から開発が始まった次世代旅客機で、主翼など機体の半分以上に炭素系複合素材を採用して軽量化を図り、空力設計の改善と相まって巡航速度・航続距離・燃費を向上させています。これにより、従来は大型機が必要だった長距離航路でもB787であれば直行が可能となり、乗り換えなしでの直近の空港への直接乗り入れを求める乗客のニーズに応えられるとしています。 また、B787は機体の7割近くを世界各国のメーカーが製造分担する国際共同事業となっており、特に日本は三菱重工・川崎重工・富士重工等が参加して35%の担当比率となり、B787のウリである炭素系複合素材の供給の中核も担っています。そして、日本のANA(全日本空輸)がB787のローンチカスタマー(新規立ち上げ顧客)として55機を発注し、現在までに世界各国で約60の航空会社から850機を超える受注を獲得しています。 しかし、先日初飛行したエアバス・ミリタリーA400Mや日本の次期戦術輸送機C-Xと同様、B787も度重なる開発計画の遅延に悩まされてきました。納入された外部発注のパーツの一部にボーイング社の品質基準に達しない物があったため、その修正に予想以上に時間がかかったとのことで、2007年7月にロールアウトした1号機は実質外観しか完成していない状態となりました。その後、当初予定されていた2007年9月初飛行、2008年5月引き渡しのスケジュールは度々延期を余儀なくされ、現時点で最初の引き渡し時期は2010年後半頃と予定されています。今回の初飛行は当初計画から実に2年3ヶ月遅れとなったわけです。 2ch軍事板のC-X/P-Xスレ辺りでA400M、C-Xと共に開発遅延大型機三羽ガラスの一つに数えられてきた(笑)B787ですが、何しろ日本の航空産業にとっても他人事ではない存在だけに、A400Mに続いて本日ようやく初飛行に漕ぎ着けることができたのは喜ばしいことです。 原油価格の高騰や世界的な経済危機が世界各国の経済状況を大きく左右している昨今、経済性を追求しているとはいえ中型機であり、また度重なる開発遅延という汚点を残してしまったB787が、航空会社の動向を見定めつつ今後どこまで受注を伸ばすことができるかが注目点です。 さて、これで開発遅延三羽ガラスのうち、残る飛べないペンギンは日本のC-Xだけとなりました(笑)最初にA400M、次にB787とアルファベット順に飛んでいるので、次こそはC-Xが無事続いてほしいと願うばかりです。 そして、この飛べないペンギン記事の3羽目は果たして書けるのか・・・?(爆) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.07.13 23:44:15
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