カテゴリ:エセ軍事マニアの呟き
今月末と思われるC-Xの初飛行までダラダラと続ける飛べないペンギンの話・・・(笑)
昨年ようやく初飛行したヨーロッパ共同開発の次期戦術輸送機、エアバス・ミリタリーA400Mですが、最大運用国となる予定のドイツの国内メディアでは待望の初飛行だというのに『欠陥機がやっと飛びやがった』等々と散々な表現で報じたとのことです。 ドイツ軍では2010年からマルダー歩兵戦闘車の後継となるプーマ歩兵戦闘車を導入する計画ですが、プーマは防護レベルA(重量約31t)であれば最大積載量約37tのA400Mに1両を搭載して航空輸送が可能です。しかし、その肝心のA400Mは機体の重量が当初計画より12tも増加するという問題を抱えており、もしこれがそのまま最大積載量の減少に繋がってしまうと37tどころか30t搭載も実現できるかどうか怪しくなってしまい、プーマの航空輸送ができなくなります。そして、昨年とりあえず飛ばしたものの、懸案の機体の重量増加問題は未だ解決の兆しが見えないようです。 アフガニスタンへの重車輌の展開等で活用したいドイツ軍としては、プーマを積めないような輸送機に用はなく、このままではA400M計画に参加する意味がなくなります。そして、最大数を導入予定のドイツがもし下りてしまえばA400M計画全体が瓦解の危機に直面します。とはいえ、軍側がいい加減A400Mを見切りたくても、国際共同開発事業であり航空産業の雇用とも直結するA400M計画からドイツが下りることは政治的には困難でしょう。 そんな中、親会社であるEADS(欧州航空宇宙防衛会社)はA400M計画について「参加国政府が超過した開発費用を支援してくれないと計画を継続できない。現時点で計画継続の可能性は50%」と言い出したという話(苦笑)懸案の機体重量超過の問題はこれから着手するという状況らしいので、今後さらに開発費用が嵩むのは避けられないと思われ、それが機体価格をさらに押し上げるという悪循環が目に浮かぶ・・・ 一方、仏英独3ヶ国の国防相は今月14日にA400Mの今後について協議するとのことで、どうなることやら・・・もっとも、仮にA400Mが計画中止になってしまうと、代替機となり得るのが能力過大気味なアメリカのボーイングC-17やロシアのアントノフAn-70くらいしかないので、参加各国としては今更やめるにやめられないのが実情のはずですが・・・ 日本の軍ヲタとしては、A400M計画がもしコケた場合、スペックが似ているC-Xがヨーロッパで採用されたりしないかしらん?とつい想像を逞しくしたくなるところです(笑)とはいえ、空自の要求はあくまでC-130H以上の最大積載量なので、最大30tあれば必要充分であり、そうなると流石にA400Mの後釜にはなりません。しかし、川崎重工から構想だけ出ている民間向け仕様のYCXは最大37tを想定しており、もしC-Xも最大35~37tを実現できればA400Mに取って代われる存在にはなれそうです。もっとも、日本の場合は技術面以前に武器輸出三原則という面倒な政治的制約が大きいので、直接戦闘に関わらない分野の装備品であってもそう簡単に海外に輸出できる可能性は限りなく低いと思われますが・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.01.15 11:56:08
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