カテゴリ:エセ軍事マニアの呟き
昨日、防衛省は陸上自衛隊の次期練習用ヘリコプターとしてアメリカのエンストローム480Bを選定したと発表しました。なお、防衛省の資料では"エンストロム"と表記しています。
エンストローム・ヘリコプター・コーポレーション社は1959年に米ミシガン州で創立したヘリコプターメーカーで、現在はピストンエンジン搭載のF-28Fと280FX、タービンエンジン搭載の480Bの3機種が主要モデルとなっており、1,100機が18ヶ国で撮影用や警察用、訓練用等として運航されています。 エンストローム480Bはレシプロ型の280FXをタービンエンジン化して拡大発展させたモデルで、ロールスロイス・アリソン250系ターボシャフトエンジン1基を搭載、最大5人が搭乗可能です。 現用のMDヘリコプターズOH-6Dカイユースの後継として、1970年代に使用されていたTH-55J以来久々の採用となる練習専用ヘリコプターがどんな機種になるか気になってましたが、最近相次いでいたヨーロッパ製ではなくアメリカ製、それもベルやMDヘリコプターズ、ボーイングといった軍需でもお馴染みのメーカーではなくエンストロームという小型タービンヘリ分野ではよく知られているものの馴染みの薄い機種が選ばれたのには少々驚かされました。 防衛省によれば、今回の選定ではエンストローム480B、シュワイザー330M、MDヘリコプターズMD500Eの3機種が提案されたそうですが、OH-6Dの直系の発展型であるMD500Eが入札価格超過で落とされたのは意外ですね。また、シュワイザー330はかつて陸自で使われていたTH-55(ヒューズ269)の子孫的モデルですが、エンストロームと比較して何か評価の低い点があったのでしょうか。 同じく新型練習用ヘリを求めた海上自衛隊が車で言えばメルセデスベンツかBMWに相当するTH-135(ユーロコプターEC135T2i)を採用したのに対し、陸自は安価でシンプルなリッターカーか軽自動車的なエンストローム480Bを選んだという辺りには、両者の練習用ヘリに対する考え方の違いがはっきり見て取れますね。しかし、この機体だと完全に練習用専従となりそうで、OH-6Dのように観測・偵察用として使われる可能性は低そうです。陸自での正式名称は"TH-480"辺りになるかな? 練習用ということで恐らく陸自航空学校等に配備されることになると思われますが、航空学校のある明野なら生で見に行く機会もあるかな? 何はともあれ、陸自向け実機の登場が楽しみです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.02.11 12:10:04
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