カテゴリ:エセ軍事マニアの呟き
今月18日、愛知県小牧市の三菱重工業小牧南工場にて、同社および子会社の三菱航空機が開発中の小型ジェット旅客機『MRJ』(三菱リージョナルジェット)のロールアウト式典が開かれ、飛行試験用の初号機が初めて公開されました。
今後、来年4月頃に初飛行を目指し、2017年から全日空での営業飛行開始を目指します。 <↑MRJ完成機体を公開 半世紀ぶり国産機、三菱航空機>(共同通信社動画ニュース) <↑三菱航空機&MRJ紹介>(三菱航空機(株)公式) (注:上記動画はWeb上の配信記事のため時間経過により削除される可能性があります) 1962年に初飛行した日本航空機製造YS-11以来約50年ぶりとなる国産旅客機、そして日本初の本格的な国産ジェット旅客機となるMRJは、近年需要の著しいリージョナルジェットと呼ばれる座席数100席以下級の小型ジェット旅客機市場への参入を目指して2008年から開発が進められてきました。途中、三度のスケジュール遅延に見舞われたものの、現在までに日米他の航空会社から計407機(確定223、オプション・購入権184)の受注を獲得、ひとまず確定受注数ではYS-11の総生産数(184機)を上回る成果を挙げています。 現在までの受注状況は以下の通り(失効分は除く) ・全日空 25機(確定15、オプション10) *ローンチカスタマー ・日本航空 32機(確定) ・トランスステイツ航空(米) 100機(確定50、オプション50) ・スカイウェスト(米) 200機(確定100、オプション100) ・イースタン航空(米) 40機(確定20、購入権20) ・マンダレー航空(ミャンマー) 10機(確定6、オプション4) 現在はブラジルのエンブラエル社とカナダのボンバルディア社がシェア7割以上を占める2大巨頭として君臨する小型旅客機市場ですが、今後さらにロシアのスホーイや中国も参入を計画しており、ますます競争が激化するとみられています。日本のMRJは低燃費・低騒音や快適な居住性等をセールスポイントに群雄割拠の市場へと挑むわけですが、三度のスケジュール遅延を経てのようやくの実機登場で、今後の受注ビジネスにも弾みになることが期待されます。 ただ、今後20年間で約5,000機規模になるとも予想される小型旅客機市場においてその半分のシェア獲得に意気込む三菱側ですが、流石にそれは大風呂敷過ぎるだろうという気もします(苦笑)単なるビジネスに留まらず、日本において小型機とはいえ旅客機が新たな基幹事業として成長できるかどうかの試金石となる機体だけに、今後更なるスケジュール遅延に陥ることのないよう官民が計画を進めていくことが重要になるでしょう。 あと、軍ヲタ的視点では、やはりかつてのYS-11のように自衛隊でもMRJを導入するかどうかが気になります。以前に産経新聞で"政府専用機として10機購入か?"と報じられて以来、公式には今の所動きはありませんが、可能性があるとしたら空自が運用している人員輸送用のYS-11P辺りの後継かな? こちらも今後に注目したいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.10.29 16:58:12
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