ヤマハの中型アメリカン、 1996年のドラッグスターでごじゃる。
エンジン始動不能の修理依頼。
15年以上車検が切れたまま走ることなく、数年間は時々エンジンをかけるものの、
そのうちに息絶え、エンジン始動不能のまま仕舞いっぱなし。
フロートチャンバーをパカッと開けた瞬間、ツ~ンと鼻を衝く刺激臭。
ポワ~ン とクッさい煙が出たような・・・
んなこたないけど、そんな気にすらなる。
始めてこの香りに出会ってから40年以上、数えきれないほどポワ~ンと食らってる。
しかし、いまだに慣れ切らない。
数時間、時には一日いっぱい鼻に残る匂いだ。
匂いというヤツは他の記憶とは少し違ったメカニズムで脳に記憶される、
と聞いたことがあるけれど、とりわけ悪臭に関してはその話も、
なんだか解るようなような気がしている。
しかし、この手の汚れとしては大したことはなく、腐食は無いしマシな方。
一昼夜クリーナーに漬け込んで、綺麗さっぱり。
新品のバッテリーを載せて、キュルキュルキュル・・・
ドルルル・・・と目覚めて、ハイおめでとうございます。
幸いタンク内部に錆の発生もなく、腐りかけのガソリンを抜いて洗浄。
リムの錆を処理した後に、気休めながら目立ちにくくペイント。
全てのメッキの白錆をセッセと落としてから、昭和の名品ピカールで、
再び、ひたすら、セッセセッセ・・・ ハイ、デキアガリ
このバイク、短足ぎみの小生でも足つきベッタリで楽ちん極まりなく、
超低重心のコレって、立ちごけなど無縁かなとも感じる。
仮にコケても引き起こしが凄く楽そう。
これなら老化で足腰が弱っても、後ろにチャイルドシートみたいなのを付けたら、
その昔TX650の後ろでよく居眠りしてた酋長と、楽にタンデムできるかも、と思う。
「タンデム ソレ キット アクリョ-ノ ヨビナ イマサラ スキクナイオサソイネ」
なんて拒否されそうな気もするけどw
万が一の暁には、気になるステップを少し手前の位置に移設しようと思ったりして・・
映画「イージーライダー」にも憧れた世代なので、
実は、アメリカンも嫌いじゃないのです。
でも、グランドマザーシート製作の楽しみは、密かに仕舞っておこう。
なんちゃって、
還暦を迎え、ふと先々のバイクライフにアメリカンを考えたりしながらも、
これは修理依頼品、俺のじゃない。
横目で流し、作業を終えた。
春らしくなり、やっと納骨を終えたゴールデンウイーク真っ只中。
弔いも概ね終わったところで、仕事とは言え好きなバイクいじり。
いろいろと感慨深いけれど、良い気分転換だったと感謝するしだい。