お上意識はいつごろから有ったのかと常々思っていたが、池田香代子さんがそれは江戸に端を発するものであると言っています。
そうか、そこまで遡るのか・・・・明治維新で獲得された近代の形質ではなくて、下々が侍に対して抱く意識だったようです。
「坂の上の雲」に描かれた明治の官僚機構までは、侍精神の残渣でまだお上は健在だったかもしれないが・・・・
それからが悪くて、太平洋戦争を経たいままで劣化の一途をたどってきたのでは、ないでしょうか?
池田香代子さんは、今回の元秘書逮捕では「検察の事には間違いはございますまいから」ではないと言っています。
1/20お上の事には間違いはございますまいからより
このくにの官僚は優秀でまじめだという神話は、江戸に端を発するものであって、明治維新で獲得された近代の形質ではないのです。この神話を食いつぶしてきたのが、旧日本軍上部の官僚機構であり、経済成長をなしとげたあと、使命感が薄れてしまった官僚機構だったのではないか、わたしはそう考えています。
たとえば社保庁のていたらくを、わたしたちはまざまざと見せつけられてしまいました。ですからもういいかげん、「お上の事には間違いはございますまいから」という呪縛から解き放たれ、優秀な官僚に任せておけば間違いないとする「お任せ主義」から脱する時が来ていると思います。そして、人の組織のすることには、人為的ミスはつきものだ、弱い心が犯すあやまちはつきものだ、というあたりまえのことを前提に、新政権には、霞ヶ関改革をぜひやり遂げていただきたい。
検察という官僚組織も例外ではないどころか、その筆頭です。取り調べの記録と可視化は、今すぐやるべきです。いつまでも「検察の事には間違いはございますまいから」ではないのです。新しい公正なルールのほうが士気が上がると考える、良心的な若い検事さんたちは、きっといると思います。刑事裁判の99%は有罪という事態を異常とうけとめる目をもたなければ、いくら裁判員制度を導入しても、国民主権はいつまでたっても絵に描いた餅です。
|
とにかく、日本では明治維新というお上による革命を経験したが、今にいたるまで庶民による革命を経験していないので、お上意識(いい意味でも悪い意味でも)を払拭できずにきたと思うのです。
ところで、3年も続くNHKの「坂の上の雲」を見るうえで、お上意識の変遷という見方も意義深いかと・・・ややこじつけかも知れないが見所を設けてみました。