高樹のぶ子さんの本は読んだことはないのだが、
『マイマイ新子と千年の魔法』の挨拶文には惹かれます。
なんでだろう?
私たちはいま、大自然の危機に直面し、生き迷っています。
そんな時こそ、古い教科書のページを捲って、私達はどこから来たのかを確認するべきではないでしょうか。
そこにはきっと、未来への処方箋が隠されています。麦畑の緑の海や小川のきらめき、目に見える生と死、家族のつながり、子供たちの背負った哀しみの影の中に……古いけれど永遠に変わらない人間の原風景の中に、処方箋を読み解く呪文が在る……。
今こそ古いものほど新しい……その発見こそ、覚めることのない魔法です。
あるいは、こうも思うのです。このアニメ世界こそが本来の姿であり、高度成長に狂った昭和三十年からの年月こそ、日本と日本人は「物質的に豊かになれば、幸せになれる」という間違った魔法に掛けられていたのではないか。新子は私達に魔法を掛けるのではなく、解き放とうとしているのではないだろうか。
世界は単純ではなく、生きるのは困難だけど、すべての子供たちに、自分の心の底に流れる水の美しさを知って欲しい。千年の時を流れる小川は、現代の都会の子供にも流れているのだと。
それを教えてあげるのは私たち大人の役目ではないでしょうか。
![マイマイ新子](https://image.space.rakuten.co.jp/lg01/10/0000179310/53/img4255edbfzik5zj.jpeg)
|
私も高樹のぶ子さんと同じで団塊世代なんですが、この世代は高度成長期を経験しているが、昨今の不況や混迷にうまく対応できないでいます。
成功体験があるだけに、かえって間違っているのではないか?
リーマンショックの元凶は米金融にあるにしても、昭和三十年代から疑問も持たずやりすごしてきた日本人(特に団塊世代)は被害者であったとばかりは言い切れないのではないか。
これからの日本は輸出産品からの儲けを適切に配分して慎ましく生きてゆくしか、生きる道はないのかも知れないな~。そういえばかって定期昇給というものがあったけど、懐かしいな~。
日本と日本人は「物質的に豊かになれば、幸せになれる」という間違った魔法に掛けられていたと高木さんは言っているが・・・そうか、魔法だったのか。
千年の時を流れる小川とは、処方箋を読み解く呪文なのか。
高木さんの挨拶文には、忙しい生活のなか、巫女の呪文がふと聞こえるように思うのです。
欲望や繁栄を野放しにしてきた新自由主義の過ちが、共通認識となったいま・・・・
オバマ大統領が金融規制を表明したそうですが、これも呪文のように利いてほしいと思う昨今です。
『マイマイ新子と千年の魔法』公式HP