蜥蜴の尻尾 17
これらように、何らかの形で蜥蜴の尻尾がその存在意義を知らしめた後・・・これが本当に大事だと思う。我々はあくまでも蜥蜴の尻尾であることを忘れてはいけない。やもすれば、自分が蜥蜴の頭になったと勘違いしてしまうことが往々にしてある。つまりは搾取する側に堕ちてしまうのだ。これだけは絶対にあってはいけない。搾取する側に一度なってしまうと、その美味しい汁をすすり継けるためだけに人間性を失ってしまう。どんなウソでもついて、そんなに汚い手だって平気で使うようになる。これも歴史が証明している。たとえば、戦の無い世を願って戦を繰り返しやっと権力を手に入れても、今度はその権力を維持するために戦を繰り返してしまうのだ。たとえば、社員やその家族の生活を豊かにしようと獅子奮迅の仕事をした会社が大きくなり、その巨大さゆえにほんの少しの業績不振が致命傷になって会社が立ち行かなくなって、結局社員をリストラしてしまうのだ。蜥蜴の尻尾はあくまでも、どのような立場になっても蜥蜴の尻尾なのだ。常にその矜持を忘れてはいけない。その矜持とは、すなわち搾取しないこと。この一点に尽きる。あるいは、何かしらの方法で大きな利益を得た場合は、その分配の仕方を常に考えることでもある。もうその行き詰り切った世界の様々な情勢は、我々の矜持を持ってでしか改善できない。若者たちよ!それを胸に刻んでほしい。