クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットの一員として
1954年秋から1年程ニューヨークに住んでいたハロルド・ランドだが
それ以外は、専らロサンゼルスを活動の拠点としている。
もし彼がニューヨークに残って50年代いっぱいでも演奏してくれて
いたら、おそらくハンク・モブレーやティナ・ブルックス級の
プレイヤーなど歯牙にかけない大活躍で、ハードバップを面白く
メリハリのある展開にしてくれたのではないかと思うのだが…
(改めているが、ハロルド・ランドはとんでもない実力者なのだ)
とは言っても、ハロルド・ランドが西海岸に戻ったおかげで
同地の黒人モダンジャズが活気付いたと言うところもある。
本作はカーティス・カウンス(ベース)のバンドに入ったり、エルモ・ホープ(ピアノ)の吹き込みに
付き合ったりしてロサンゼルス・ハードバップの中枢として目覚しく活躍していた
ハロルド・ランドを最上の形で捕らえたアルバムでクリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・
クインテット時代に通じるサウンドながら、あそこまでアレンジに凝っておらず、一本気な
“爽快ハードバップ”となっている。
ハロルド・ランドのソロは歌心、ユーモア、スリル… いずれの点でも非の打ち所がない。
1960年代以降、この楽しさが彼のプレイから消え失せてしまったのは本当に悲しい事だ。
ハロルド・イン・ザ・ランド・オブ・ジャズ / ハロルド・ランド
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