60年代のハードバップ、つまりモード時代に入ってもなおコードの残滓を
とどめつつ演奏されたモダンジャズには、おどろおどろしい一種独特の強い
重量感があると思う。
50年代に比べ器材が改良され、広い帯域の録音が可能になった技術的側面と
ハードバッパーとしては若すぎ、新主流派と呼ぶには、若干年長な1930年代
生まれの新しいミュージシャン達が多数吹き込みを行うようになった人材的な
側面が相乗的に醸成したこの時季ならではのジャズの存在感なのだろう。
ブッカー・アーヴィンとホレス・パーランのコンビは、特にこのコードとモードの入り混じった
「重量級モダンジャズ」の代表選手だ。
音を投げ捨てるかのごとき暴力的なフレージングのブッカー・アーヴィンと、身体的な
ハンディキャップからも華麗な動きなどできないホレス・パーランの紡ぎだすサウンドは
後にジャズがアングラ化してゆく様子を予言している。
ブードゥー魔術をモチーフにした「Mojo」、天王星を意味する宇宙感覚を示す「Uranus」
そして自己の愛称でもある「Boo」はモーダルな曲で、「Booker's Blues」とスタンダードの
「Poinciana」、「Speak Low」は因襲的なコードのハードバップだ。
「Boo」と「Booker's Blues」は同じブルースだが、コードとモードと言う奏法を変えると
こんなに曲想が変化すると言う事実を確認するのに、うってつけの教材だろう。
ザッツ・イット/ブッカー・アーヴィン 視聴無
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ジャズアルバム紹介 ザ・ブック・クックス/ブッカー・アーヴィン 視聴有
ジャズアルバム紹介 ザッツ・イット/ブッカー・アーヴィン 視聴無
ザッツ・イット/ブッカー・アーヴィン 視聴無
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