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カテゴリ:クラシック音楽_ピアノ関連
今日は、ギレリスでグリーグの「抒情小曲集」を聴く。
--------------------------------------- ◆エドヴァルト・グリーグ(1843-1907) 『抒情小曲集』 演奏:エミール・ギレリス(ピアノ) --------------------------------------- エミールギレリスは、私がもっとも好きなピアニストのひとり。特に彼の弾くベートーヴェンのソナタは、週に1度はいずれかの曲を聴くほど、惚れ込んでいる。 ギレリスのベートーヴェンを最初に聴いたのは、「熱情」だった。それまでケンプの演奏しか聴いたことがなかったので、彼のブリリアントで強靱なタッチから生み出される、エネルギッシュな音楽に圧倒された。 「これがほんとうのベートーヴェンだ!」‥‥心からそう思った。 「熱情」のあと発売された「ワルトシュタイン」ももちろん聴いた。これもスゴかった。特に第2楽章から第3楽章に入るあたりの幻想的で美しいメロディ。そして徐々にフィナーレに向って疾走する、ベートーヴェン特有の高揚感は、何度聴いてもあきない。 「ベートーヴェンはギレリスに限る」これはあの時も今も変わっていない。 3枚目に手に入れたギレリスの演奏が、このグリーグ。 なんとも素朴で、哀愁漂うグリーグのピアノ曲。 透明で美しく愛らしいそのメロディは、あのベートーヴェンを弾く同じピアニストの紡ぎ出す音楽とはとても思えない。 しかし、輝くような高音と、豊かな低音は紛れもなくギレリスそのもの。 このピアニストは、いったい何ものなのだ。 彼の表現力の豊かさと多面性に改めて惚れ直した。 その時からこのグリーグも、私の愛聴盤の1枚となった。 ライナーノートには、ギレリスのこんな言葉が書かれている。 「ロシアではグリーグの『抒情小曲集』は教師と子供たちしか知りませんでした。」 ギレリスは、おそらく自分の幼い頃を思い出しながら、この曲を演奏しているに違いない。そう思うと、なお一層ギレリスのピアノが味わい深く聞こえてくる。 ------- ところで、このグリーグのピアノ曲を聴いたとき、誰でもすぐにシューマンを思い出すだろう。 似ている、確かに似ている。 グリーグとシューマンと言えば、例の同じイ短調のピアノ協奏曲がカップリングさることが多い。私も持ってる2枚ともその組み合わせだ。 この抒情小曲集も、シューマンほど複雑ではないが、曲によっては新しく発見されたシューマンの遺作だと言われれば、信じてしまうほど似ている。 たとえば、「あなたのおそばに」「蝶々」など、シューマンの幻想小曲集に紛れ込んでいてもまったく違和感がない。 「アリエッタ」「過去」「余韻」なども、『子供の情景』や『森の情景』などのピアノ小品集にありそうな曲だ。 シューマン・マニアの私としては、こんな聴き方もできるとこが、この曲集を気に入ってるもう一つの理由でもある。 もし、シューマンが好きで、この曲集を聴いたことがない方がいたら、ぜひ一度聴いてみるといい。必ず気に入るはずだ。 ------------------------ お薦めはギレリス盤だが、残念ながら楽天では発見できなかった。 アマゾンなら手に入るので、もし興味があるならそちらへ。 楽天では、以下のCDを見つけた。 抒情小曲集~グリーグ:ピアノ名曲集 ----------------------------- 以下、ギレリス盤に収録されている曲名を列挙しておく。 曲名だけでも、イメージが膨らむだろう。 1.アリエッタop.12-1 2.子守歌op.38-1 3.蝶々op.43-1 4.孤独なさすらい人op.43-2 5.音楽帳op.47-2 6.メロディop.47-3 7.ノルウェーの踊り「ハリング」op.47-4 8.夜想曲op.54-4 9.スケルツォop.54-5 10.郷愁op.57-6 11.小川op.62-4 12.家路op.62-6 13.バラード風にop.65-5 14.おばあさんのメヌエットop.68-2 15.あなたのおそばにop.68-3 16.ゆりかごの歌op.68-5 17.昔々op.71-1 18.パックop.71-3 19.過去op.71-6 20.余韻op.71-7 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/11/03 08:31:08 PM
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