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意外な戦史を語る~  カモメとウツボのメクルメク戦史対談

意外な戦史を語る~ カモメとウツボのメクルメク戦史対談

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2012.01.27
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(カモメ)一方、忠誠や愛国心、名誉といった本来軍人が尊ぶ形而上の価値観では、現代の多様化した価値を求める若者を糾合し、拘束することは難しい状況ですね。

(ウツボ)そうだね。その点で、実際に有事の防衛出動が命令された場合、バーナードが言う「均衡状態」が果たして維持されるだろうか。そこには激烈な戦闘と無残な死が待っているかもしれない。

(カモメ)日本の自衛官の給料水準は世界各国の軍隊の給料と比べて高い。陸上自衛隊の二等陸士の初任給(一号俸)は約一六万円ですね。海空も同じですね。

(ウツボ)それに対して外国の軍隊の月給を比較してみる。各国とも給与体系が複雑なのでアバウトな数字で、さらに為替レートは日々上下するので必ずしも正確ではないのだが、アメリカ軍の陸軍二等兵の初任給(E-2ランク)は約一六〇〇ドル(約一三万円)で自衛隊よりも安いらしい。

(カモメ)同様にアバウトな数字ですが、韓国軍の兵士の月給は八八〇〇〇ウオン(七〇〇〇円)、中国軍の兵士は一〇〇〇元(一二六〇〇円)、ロシア軍の兵士は一六〇〇ルーブル(四六〇〇円)、イギリス軍の兵士は一二五〇ポンド(一六七〇〇〇円)位でしょうか。

(ウツボ)だが、自衛官の処遇や給料をよくして魅力化を図ろうとも、このバーナードが言う「均衡状態」は有事を前提としては、果たして成り立つのだろうか。

(カモメ)そうですね。日本の自衛隊の志願制は根底に脆弱性を包含していますね。有事となった場合、現在の自衛隊(予備自衛官を含む)以上の兵力の動員や兵員損失の補充はできない訳ですから。

(ウツボ)そう。だから、これが問題なのだが、人的継戦能力が無い。敵の攻撃で戦力が減少した場合、後が続かないのだ。さらに、いくら安保条約、米軍の傘の下にいるとはいえ、それは恒久絶対ではない。

(カモメ)このような現状から、国防は自衛隊の役目だと、その義務を自衛隊員だけに押し付けている日本国民は国防問題をもっと真剣に考えなければいけないような気がします。

(ウツボ)だが、真剣に国防を考える国民は一体どれだけいるのだろうか。生活保護家庭が増大している昨今、生活が苦しい人は自分の生活を考えるだけで精一杯というのが正直な話だ。

(カモメ)そうでない中産階級の人でさえ、自分自身の生き方や、言葉は悪いけど、金稼ぎを考えるだけで日々暮らしているのが現実ですね。

(ウツボ)その通りだね。ところで、統帥ということから見てみると、自衛隊法第七条には「内閣総理大臣は、内閣を代表して自衛隊の最高の指揮監督権を有する」というシビリアン・コントロールが規定されている。

(カモメ)帝国陸軍にはなかった内局(内部部局=Internal Bureaus)という部署が防衛省にはあります。内局に対しては自衛官の書いた書籍を読むと、制服組からは不満の発言や記述が多いですよね。

(ウツボ)当然そうだろう。だが、背広より制服が強くなりすぎると、軍人の権力構造が増幅され、政治に関与するところまで行く可能性が出てくるといわれている。

(カモメ)防衛省内局の背広組の防衛官僚もシビリアン・コントロールの制度に従って勤務している訳ですね。

(ウツボ)そうだね。彼らのうち、中堅幹部(上級研修終了者)の集まりで「淡水会」というのがある。機関紙「淡水」も発行しているのだが、防衛官僚の中核をなす集団といわれている。

(カモメ)その防衛官僚が書いた本、「誰も知らない防衛庁」(佐島直子・角川書店)の著者は、女性キャリアですね。

(ウツボ)その本の中で、著者が防衛庁に入り、内部部局の人事局人事第三課に配属されたときのことが記してあるね。

(カモメ)第三課の入り口の前では、各幕僚監部からやってきた人事担当者が、胸に手を当て深呼吸したり、挨拶のお稽古をしたりしている姿をよく目にしたものだと、述べています。

(ウツボ)だけど、シビリアン・コントロールとは、自衛隊の予算・人事・行動の最終命令権が政府や議会にあるということだから。内局の文官である防衛省事務官が自衛隊をコントロールするということではないはずだが、事実は「胸に手を当てる」ような状況なのだろうね。

(カモメ)確かに、内局と制服組には、陸上自衛隊創設当初から軋轢が生じているようです。防衛庁の天皇とよばれた海原治防衛局長、防衛省の天皇とよばれた守屋武昌事務次官に象徴されますが、内局が制服を牛耳ってきた顕著な例ですね。

(ウツボ)その海原治氏の著した「日本防衛体制の内幕」(海原治・時事通信社)によると、昭和二十九年七月一日、それまでの保安庁は防衛庁として発足した。

(カモメ)保安庁が防衛庁に衣替えをするとき、「三軍の統一を図る」という大目標が設定されました。保安庁には旧陸軍と海軍とが厳然として控えていたのです。

(ウツボ)それで、防衛庁という同一の屋根の下に入る陸海空の三つの組織について、できるだけ統合の実をあげようとなった。だが、結局は三軍の統合ははかない夢に終わった。

(カモメ)ある日、保安庁保安局の海原治保安課長は保安庁次長・増原恵吉に呼ばれました。会議室は超満員で、「敬礼の統一問題」が討議されていたのです。

(ウツボ)当時、陸の保安隊は、警察予備隊がすべて米陸軍式に教育されていた結果として、敬礼の方式も米陸軍式であり、室内でも無帽であるのに、額のところへ手を上げて、挙手の礼を行っていた。

(カモメ)だが、海の警備隊では、日本式の、上体を斜めに傾ける敬礼をしていました。そのどちらかに礼式を統一するのが会議の主題でした。








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最終更新日  2015.07.27 13:10:03


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