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カテゴリ:その他読書日記
『ザ・中学教師 [親を粉砕するやりかた]編』別冊宝島95:JICC出版局
学校が荒れるのを教師の力量不足のせいばかりにするな、てめえのしつけが悪いんじゃねえか、と言っている本。一理あると思う。学校や教師が自分の力量不足をごまかさない限りにおいては。処分。 『日本の小学生 国際比較でみる』千石保・飯長喜一郎:NHKブックス 主にアメリカと比べた、統計で見る日本の小学生。少々データが古いけれども、アメリカと比べて日本の小学生は母子密着度が強いのは今でもそうだと思われる。その関係の中で、日本の子どもは母親の本当に言いたい事を察知し、期待に沿うように努力する。「察し」の日本文化は、すでにこの頃から芽生えているのかもしれない。 問題行動を起こす子どもの母親は、だから、結婚生活にも夫婦生活にも自分の生活にも満足していないことが多い、と統計は語る。先に『ザ・中学教師』の言い分にも一理ある、といったのはそういう理由からである。 意外だったのは、昭和54年の本にもかかわらず、親が子どもに「安心できるところへ勤める」よりも「どこででも生きていけること」を望んでいることだった。しかも両親の学歴が高いほどそうだという。サラリーマンの悲哀はサラリーマンぞ知る、といったところだろうか。 最近はどうなのだろう。処分。 『メモと日記の方法』外山滋比古:潮文庫 古本屋で買ったときは創価学会系の出版社の本だとは意識しなかった。外山先生はお茶の水大学の教授である。『日本語の論理』が代表的な著作だ。この本の中でも、欧米の「線の論理」に対して日本は「点の論理」(「察しの文化」)である、また日本の文化は「短編文化」である、と持論を展開されている。そこら辺りを押さえておけば、あとは「身近で庶民的な日本文化を見直そう」という主旨の、新聞のコラムにでもありそうな短いエッセイがほとんどだ。高校生の現代文の問題にはうってつけの模範的な文章ではある。小論文の訓練にもいいかもしれないが、自分はすでに高校生ではない。処分。 「メモと日記の方法」については、巻末に申し訳程度に書いてある。要点は、日記よりもメモ、ノートよりもカードを活用し、情報を取捨選択・整理整頓しよう、読書ノートをつけよう、というものである。 『フランケンシュタインの子供』角川ホラー文庫 この本には、死者の復活・人造人間などをテーマにした『フランケンシュタイン』の落とし子が1ダースほど載せてある。 「変身」「よみがえった男」メアリー・シェリー 「鐘塔」ハーマン・メルヴィル 「ダンシング・パートナー」ジェローム・K・ジェローム 「新フランケンシュタイン」E・E・ケレット 「死体蘇生者 ハーバート・ウェスト」H・P・ラヴクラフト 「フランケンシュタインの花嫁」ジョン・L・ボルダーストーン&ウィリアム・ハールバット 「愛しのヘレン」レスター・デル・リイ 「腹話術奇談」ジョン・コリア 「ついに明かされるフランケンシュタイン伝説の真相」ハリー・ハリスン 「プロットが肝心」ロバート・ブロック 「不屈の精神」カート・ヴォネガット・ジュニア こうしてみると、大方は怪奇幻想小説である。アシモフ博士に親しんだ自分としては、「愛しのヘレン」(清原なつのさんのSF短編漫画『まりあ』はここから着想を得たものと思われる)のように、ロボットテーマのSFの方が好みなのだけれど。ついでにいえば、人造人間・自動人形をテーマにした「文学」上の傑作は、ヴィリエ・ド・リラダンの『未来のイブ』が随一だと思う。 『カンタベリー物語』チョーサー:角川文庫 ボッカチオの『デカメロン』よろしく、卑猥で滑稽で尾篭な短編のオンパレード。ヨーロッパ中世文学の古典であるが、角川文庫版は抄訳なので手放すことにした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.02.25 19:53:48
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