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カテゴリ:ユートピア・反ユートピア小説
「世界の文学」シリーズ第四巻に収録。値段を見ると390円とある。図書館の本の市で拾ってきたのだけれど、一体いつの時代の本だ。
久しぶりに読むが、ひょっとしたら原書で読めるかもしれないと思われるほど、平明でわかりやすい文章だ。もっとも高校生のとき完訳を読了して以来、繰り返し読んでいるせいかもしれない。今回は糞尿譚というか、そういう描写が気になった。小人国から馬の国まで、ウンコやオシッコの話が折にふれて出てくるのは、あながち風刺ばかりではないような気がする。 もう一つ気になったのは、翻訳者の中野好夫さんがIを「我輩」と訳されていること。おそらく日本を代表する風刺文学の表題を意識したのだろう。ただ個人的にはかのミュンヒハウゼン男爵を連想してしまった。なるほどガリヴァというのは愚か者という意味だそうだから、この物語の語り手そのものを風刺するのならそれもいいかもしれないが、スウィフト自身は反語的にこういう名前をつけたのだと思う。岩波文庫のように「私」でいいのではないか。 洋書はこちら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.06.01 15:00:42
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