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カテゴリ:SF
まるで革命家のためのバイブルだ。『宇宙の戦士』で見せた国家主義はここにない。作者はただアメリカ独立戦争のSF版を書いただけなのかもしれないが、それでも――右にせよ左にせよ、ハインラインが好んで描くのは受けて立つ方であり、自由と独立のために闘う人々であることは誰しも認めるところだろうと思う。
初めて衝撃を受けた学生時代から久しぶりに読み返してみたが、電話やコンピュータの描写などの古臭さにもかかわらず、その精神はちっとも古びていないと感じた。語り手の左手の義手というあからさまな隠喩はさておくとしても。 武士道と義理人情を混同した時代錯誤にも目をつぶろう。驚くべきはアメリカが日本に奇襲させたことをハインラインが認めていて、しかも悪びれた様子がないことだ。なんと恐るべき率直さ! 今だからわかること。ビル・ゲイツはきっと本書の愛読者だったにちがいない。 月は無慈悲な夜の女王 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.11.29 11:08:34
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