漫画について語るのは久しぶりだが、この作品にはそれだけの価値がある。ゴシックロマンとしては『フランケンシュタイン』の末裔で、ピカレスクロマンとしては『MW』の後裔だ。キーワードは「追跡」。善と悪の絡み合う人間のドラマをSF的シチュエーションに託して語る作者の手腕は見事で、後の『20世紀少年』や『PLUTO』にも受け継がれている。物語作家として、かわぐちかいじらとともに手塚治虫の後継者たる漫画家たるに相応しい力量が、確かに彼にはあると思われる。また浦沢はスターシステムを採用している数少ない作家でもある…
強いて欠点を挙げるとすれば、長すぎる。アニメや連続テレビドラマ全盛の現代においては珍しくもなんともないのだろうが、密度がもう少し濃ければ巨匠の『MW』を超えたかもしれないのにと思う。
★送料無料★ 浦沢直樹スペシャルパック MONSTER(モンスター) 、20世紀少年、PLUTO(プルートウ)