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カテゴリ:海外文学
イタリア叢書「自分に出会った男」に収められていた戯曲。作者は苗字違いのキャレッリである。この戯曲、序盤は恋愛に関する文学的かつ哲学的な会話のやり取りが主で面白くなかったのだが、途中から興味を持った。要するにこうだ。
男の妻が、浮気した。 男は、妻を殺したと思った。 男は、親友に弁護を頼んだ。 親友は、喜んで引き受けた。 だが、実は親友こそが妻の浮気相手だったのだ。 しかも、殺したと思った妻は生きていた。 生きて、自分の葬式にも現れた。 さあ大変、みんなの顔色が変わった。 列席した人の中には「偽証だ」と叫ぶ向きもあった。 「正当防衛で殺した人が無罪になるのに、殺した人のはずが生きていてなぜ有罪になるのだ?」 という問いはもっともだが、法律は無情だ。 夫婦は国外逃亡とあいなる。 旧漢字旧かなをいとわぬ方は、国立国会図書館のデジタルデータを、もよりの公立図書館で閲覧できないか相談してみてください。では。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.05.04 23:06:17
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